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投稿コメント一覧 (775コメント)

  • >>No. 863

    何度かさくらインターネットを引き合いに出しておられるようですが、昨日ありがたく一部を利益確定した同社の株主の端くれとして言わせてもらえば、今度はその利益の一部をもって、ここタムラ製作所の株の買い増しに充てたいと思っている次第です。

    このごろ株価1万円にタッチしたさくらインターネットですが、かつては株価が何年も停滞して昨年はじめごろは今のタムラ製作所とどっこいの価格帯でした。とはいえ会社の事業発展にひとくち乗ってご相伴にあずかろうと目論む者としてはお金を出して5年10年待つのは当然のことで、目先の株価が幾ら安かろうが将来が楽しみという銘柄を選ぶことが個人投資家として肝要でしょう。

    このさくらインターネットとタムラ製作所ですが、一見したところあまり共通項がないように見えますが、ともに半導体に関連する銘柄で、両社とも日本の経済安全保障に関わっているという大きな共通点があると考えています。つまり日本の産業競争力を高めて21世紀の国家競争に生き残る上で、AI生成能力や衛星データ基盤を育成する必要があるという流れがさくらインターネットを押し上げたのですが、同様の構図として日本の半導体産業の競争力を高め省エネ化のアドバンテージも見込める酸化ガリウム半導体など次世代パワー半導体の開発は、その関連企業とともに今後重要性を増していくと考えられます。

    たとえば下記のURLは内閣府・経済産業省が昨年10月に出した『「高出力・高効率なパワーデバイス/高周波デバイス向け材料技術開発」に関する研究開発構想』という文書ですが、これを見ると政府が酸化ガリウム半導体などの開発を重視し、その後押しをしようと腕まくりを始めた様子が見て取れます。
    https://www8.cao.go.jp/cstp/anzen_anshin/02-12_20231020_meti_9.pdf

  • 新日本科学がこれまでに発表した資料を見ると、経鼻偏頭痛薬STS101の売上は市場シェア5パーセントを当面の目標としており、年間数億ドル規模を見込んでいることが分かりますが(*1)、この目標数字が達成できれば子会社の薩摩製薬の売上が親会社の新日本科学を上回る面白い展開になってきます。

    このシェア獲得の目標が実際に達成できるかは新薬に対するユーザーの評価に掛かっているわけですが、治験に参加してSTS101を使った患者さんの評価を見ると下のグラフの如し(*2)。6ヵ月にわたってSTS101を使った結果を肯定的評価(青色)と否定的評価(赤色)に分けると肯定的な評価が大部分を占めており、これを見れば上記の会社目標は十分に余裕をもった控え目な数字という印象を受けます。

    全体的な印象(Subject Global Impression) ・・・ 良い86.4%
    利用可能であれば使うか(Subject Likelihoodof Use) ・・・ 使いたい81.6%
    使いやすさの印象(Ease of Use Impression) ・・・ 使いやすい92.5%

    (*1)https://ssl4.eir-parts.net/doc/2395/tdnet/2354603/00.pdf
    (*2)https://www.satsumarx.com/wp-content/uploads/2022/06/Satsuma_AHS_STS101_Subject_Impression_Poster_Jun-22.pdf

  • 先日の日経バイオテクですが『PRISM BioLab、なぜグローバル大手製薬企業からの資金調達に成功したのか?』という記事見出しが目を引きました(https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/24/02/08/11580/)。
    「PRISM BioLab」とはペプチドを模倣する化合物を使ってタンパク質間相互作用を制御するテクニックを持つ神奈川県藤沢市のバイオベンチャー、この記事見出しにある「グローバル大手製薬」とは世界最大の時価総額を持ち、製薬会社として最初に1兆ドル企業の大台に乗るであろうと噂される「Eli Lilly(イーライリリー)」を指します。

    そして周知のとおり(かどうかは分かりませんが)、PRISM BioLabとえば、新日本科学が子会社GEMSEKIを通じて2021年9月に出資を行った会社でもあります(https://www.gemseki.com/210909/)。技術の有望さに着目した出資で史上最大のメガファーマに先行すること2年あまり、これは新日本科学の選球眼を示す一つの事例であろうと捉えています。

  • またひとつSFの世界へ現実が近づいた観がある先般のニュース。
    『「異種移植」用のブタ、国内で初めて誕生 今夏にもサルへ移植の計画』
    https://www.asahi.com/articles/ASS295CQQS27UTFL00L.html

    このクローンブタにヒトの遺伝子を導入して移植用臓器を生産するというアイデアは、たとえば士郎正宗の『攻殻機動隊2』(講談社、2001年)にガジェットの一つとして登場していたのを懐かしく思い出す人もいることでしょうが、実際に日本国内でサルへ移植する前臨床研究がこの夏に予定され、来年には人への移植を目指すという日程が示されたことで、にわかに身近な話題として感じられてきました。

    SF的に将来を観望すれば、人体を形作る270種類の細胞をiPS細胞で量産してカートリッジに詰め、3Dプリンタで高精度に積層出力してあらゆる臓器のスペアを入手できる時代がいずれは来ると考えられますが、現時点で臓器移植を求めて順番待ちの長い列に並んでいる患者さんたちにしてみればそんな未来まで待っていられない切実な問題。移植用臓器は世界的に不足しており需要が大きいことから、iPS臓器の工場生産が実現する未来社会までのつなぎとしてクローンブタがその重要な供給源になる可能性があります。

  • 先週土曜日の日経新聞には、衛星データプラットフォーム「Tellus」に関する記事も載っていました。

    「衛星測定のCO2データ、企業に提供 資金調達を後押し」 2024/2/10
    https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA147580U3A111C2000000/

    記事によると24年度に打ち上げが予定されている温室効果ガス観測衛星いぶき3号(GOSAT-3)の観測データを、政府がさくらインターネットのTellusを使って広く企業に提供するとのこと。企業のカーボンニュートラルに対する取り組みが格付け機関によって細かく採点され、これに連動するファンドの規模が年々拡大し続けている現状に鑑みて、企業にとっては今や自社の資金調達や株価を左右する温室効果ガス削減努力の定量的データが重要となってきており、その衛星データの配布を担うことでTellusの役割はますます大きくなっていくと思われます。

  • ジェフリーズといえば、かつて新日本科学にbuyレーティングを出したとき、これに反発するあまりに米国有数の投資銀行(総資産6兆円はくだらない)ジェフリーズに対してこれを「弱小」と決めつけたleoさんのことなので、その後さらに大手のバンク・オブ・アメリカが新日本科学の目標株価をジェフリーズよりも高い4000円に設定したときにleoさんがこれを何とこき下ろすのか興味深く見ていたのですが、さすがのleoさんもバンク・オブ・アメリカを「弱小」と呼ばないだけの常識はあった様子。その後も証券会社のレーティングに文句を付けるときはバンク・オブ・アメリカでなくジェフリーズをもっぱら批判しており、どうやらそのあたりにleoさんの非常識パワーの進出限界線がありそうです。

    なお新日本科学が平均成長率でみて売上500億円(FY2028)を掲げた中期目標達成に向けて進んでいることは、一昨日私が載せたグラフにも示されていることで、今後の成長にはこれまでのキャパシティ増強が反映してくると考えられます。そしてFDA再申請の作業が割り込んだことで計画に遅れが出たものの、いずれプラスアルファの収益エンジンとしてSatsumaのSTS101がここに加わってくるわけです。

    一方でleoさんはここ3年間毎回似たような内容で新日本科学の成長に関してネガティブ予想を繰り返してきましたが、当時の書き込みと現実の新日本科学の成長ぶりを引き比べれば、予想を外し続けてきた3年間であったと言わざるを得ません。このように3年間結果を出せなかったleoさんが3年間結果を出し続けてきた会社について何か他人に説教できると思っているなら、それはかなり滑稽な構図ではないでしょうか。

  • 2024/02/03 07:53

    今回の決算では2024年3月期の通期業績予想が下方修正となりましたが、第3四半期までの売上累計としては前年同期から9.9%増加の179.8億円で過去最高となり、成長トレンドは依然として継続。第3四半期としての受注高も過去最高を更新し、岩田さんブログによると次の第4四半期も過去最高の受注高を見込めるようですが、これらは売上の数字としては次年度以降に入るとのこと。
    今回修正の通期予想を中期計画の売り上げ目標に対する進捗としてグラフ化すると下図のような感じとなり、長期株主としては、多少の緩急はあれ売上500億円目標にむかう登り道の景色を、様々な期待材料の進捗と共に楽しんでいきたいと思います。

  • TMS-007とも関りの深い人物の話ですが、発見者の蓮見惠司氏と共同で研究を進めていた冨永悌二氏が東北大学の次期総長に内定してこの4月より就任するというニュースが先日ありました(*1)。この冨永氏が院長を務めていた東北大学病院は治験に特化した病棟「先端治療ユニット」を開設したとのプレスリリースが昨年あり(*2)、医薬開発のよい環境を整えることに積極的な様子。今般TMS-007の国内開発権がティムスに戻ったことで再び東北大学が共同開発と治験の前面に出てくるのか、今後の動きに注目したいと思います。

    それにしても東北大学といえば10兆円規模の大学ファンドの運用益から支援を受ける「国際卓越研究大学」の候補として昨年9月に文部科学省から選定され(*3)、現時点でも東北大学が国内で唯一の候補という、いわば日本の将来を担う科学研究の代表選手として期待されている大学。その総長という大きな仕事を引き受けられた冨永氏の今後のご活躍をお祈り申し上げます。

    (*1)https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77920460U4A120C2L01000/
    (*2)https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC127910S3A910C2000000/
    (*3)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230901/k10014180611000.html

  • 新日本科学に限らず基本的な図式ですが、市場に強みを持ち成長を続けている企業の株を買う人と空売りする人が居たとるすると、前者が利益を得る蓋然性が高いのに対して後者は損失を被る蓋然性が高いと言えます。

    leoさんが新日本科学の主力CRO事業についてその強みを認めるのであれば(内容は認識不足が否めませんが)、「副業」を加味して考えても、会社全体の評価はポジティブになるのが合理的で、そうならないleoさんの意見は合理的とは言えないでしょう。

    なぜなら新日本科学について、経常利益のプラス・マイナスの規模を比較すると主力のCRO事業(下図の青色)に対してトランスレーショナルリサーチ事業・メディポリス事業(下図の赤色)の比率は下図のようになり(2023年3月期決算の資料p.13より作成)、主力事業の大きなプラスに比べればその他の事業のマイナスは小さなもの。後者を理由に全体の評価をネガティブにする主張は論理としておかしなものです。

    買い方として見れば、主力事業が大きなプラスであればその他事業の小さなマイナスは大した問題ではありません。しかも新日本科学の場合、現状のこのマイナスの中には、メディアでも繰り返し取り上げられているウナギの完全養殖、陽子線がん治療と協業するホテル経営、将来有望な経鼻投与技術の開発が含まれており、むしろこの小さなマイナスの中に大きな魅力を感じる個人投資家ももいるでしょう。つまり主力事業が安定成長だから、安心してこれらの事業の将来性に投資できるという構図になります。

  • 1/30付読売新聞の記事『実験用サルの価格、コロナ流行前の5倍に高騰…中国輸出停止の影響か「20頭で1億円以上必要」』は、記者の認識不足を感じる点が若干ありますが、実験用サルの価値が高騰していること、その国内確保が重要であるという大枠についてはその通りですね。ある国で実験用サルが不足することはその国の医薬開発が滞ることを意味するわけで、その戦略的な重要性がより広く知られることは、実験用サルの大きなリソースを持つ新日本科学の価値がより認識されることに繋がるでしょう。

    この掲示板では折に触れ、実験用サル(NHP)の価値が世界的な上昇傾向にあり、その自給能力がある新日本科学の事業価値が連動して高まることを需要増加と供給不足の面から説明してきましたが、そのたびに反発して「猿の価格は上がっていない」「暴落する」と繰り替えしてきたのが他ならぬleoさん。今回の読売新聞の記事がいう「コロナ流行前の5倍に高騰」の最中にどのような主張をしていたか振り返ってみると、たとえばleoさんは2022年6月に得意の奇妙な計算を展開してサルの価格は「270万円→83万円まで急落することは自明」と断言し「まあ、見てなって」と見得を切っていましたが(https://finance.yahoo.co.jp/cm/message/1002395/2395/35/349)、その後の価格推移はleoさんの予想と全く逆方向に進み続けて、今や500万円(2024/1/30読売新聞)や1000万円(2023/6/30薬事日報)が報じられる有様。leoさんにおいては読売新聞に文句を言うよりも自身の論理回路を点検するのに時間を使った方がよいのではと思えます。

  • ええ・・・そんな不肖の息子を持った覚えはありませぬ・・・(><)
    たぬきは身持ちが固いのです。

  • (前回の続き)
    トリプタン系の片頭痛薬はその薬効の特徴にうまく合致する症状の患者さんであれば問題なく効果的な薬ですが、その一方でトリプタンは片頭痛患者の30%には効果がなく、効果の持続時間が短いため片頭痛が頻発する人が多用するケースで薬物乱用頭痛のリスクが高まります。こういった既存の片頭痛薬の守備範囲でカバーできない多くの片頭痛の患者さんにとって、上市に向けて現在進行中のSTS101は有望な代替薬となり得ます。

    専門家の肯定的な見解はすでに紹介した通りですが、実際に治験に参加した患者さんの評価も重要なポイント。1年以上の片頭痛の病歴がありその頭痛に既存の薬(もちろんトリプタンなども含まれるでしょう)で対処してきた患者さんが、新しい片頭痛の治験に参加して、今まで自分が使ってきた片頭痛薬よりも良ければその新薬に好意を持って販売されれば使いたいねと答え、良くなければ使いたくないわと答えるでしょう。STS101はその点がはっきり治験参加者の回答に出ており、「利用可能であればSTS101を使用する可能性が高い/非常に高い」という回答が75%を上回っているわけです(*5)。

  • leoさんが書いている「プパトリプタン」をGoogleで検索してもヒット数ゼロで、そういう名前の薬はこの世界に存在しない模様。おそらくフロバトリプタン(Frovatriptan)の名前をleoさんが読み間違えていると思われます。
    フロバトリプタンはトリプタン系の中では血中濃度の半減期が長い特徴がありますが、臨床試験で得られたデータによると1回目の服用後24時間までに患者の約50%が2回目を服用するとされており(*1)、これに対してSTS101は初回投薬の48時間後時点で2回目を使用した患者は20%未満(*2)。痛みを長時間抑える点でトリプタン系としては優秀なフロバトリプタンと薬効の持続性を比べると、STS101の方が大幅に効果的であることが分かります。

    またleoさんが今回引き合いに出した片頭痛予防薬エムガルティ(Emgality)については抗CGRP抗体薬という薬価が高いタイプの薬で、発売元Eli Lillyのホームページによると1本が706ドル(約10万円)にもなります(*3)。アメリカでは保険に入っていれば月平均354ドルになりますが保険に入っていない人はこれを全額負担。片頭痛の回数を半分に減らせるという薬効は確かにありがたいものの、そのためにこんな出費は出来ない人が多いのが現実です。

    またDHEの安全性についてはleoさんの言う「手足が冷たくなって切断する」などはいったい何時代の話なのか、全体的に時代に遅れ気味のleoさんにしても認識が古過ぎるというもので、現代のSTS101で長期の安全性を見たASCEND試験では軽微な副反応があったのみと確認されています(*4)。とはいえ一般常識として理解しておくべきことは世の中のあらゆる薬にはその半面のリスクがあるということで、たとえば上のフロバトリプタンの注意書きにも「心筋梗塞や脳卒中などの重篤な心血管副作用を引き起こす可能性があり、入院や死亡につながる可能性がある」が書かれています(*1)。

  • (続き)

    なお情報の信頼性でいえば、国際頭痛学会の会長職を務めた学者ともなれば世にある頭痛薬の効能の一長一短は頭に入っており、現状の問題を打開するのにどの薬が適しているか総合的に比較する知識体系があると思われます。
    これとは対照的に総合的な知識体系という面で見るべきものが無いのがleoさんの書き込みで、株の空売りのため都合のよい数字だけを拾って継ぎはぎした成果物の中に有用な情報は無く、leoさんは自身と他人を欺く歪曲した物の見方を提供してきたに過ぎません。

    (*1)https://zutsuu-nayami.jp/migraine/about/
    (*2)https://www.nyredcross.org/products/155/79
    (*3)https://www.jhsnet.net/GUIDELINE/gl2013/263-270_6.pdf

  • 即効性に優れ片頭痛薬として広く使われている既存のトリプタン系の薬剤ですが、leoさんがこれをSTS101と比較する際に必ずだんまりを決め込んでいるポイントがトリプタンの効果持続時間の短さ。片頭痛の発作は人によって痛みの継続時間が4~72時間とばらつきがありますが平均で頭痛の継続は23時間ほど(*1)。これに対してleoさんが例に挙げているスマトリプタン(イミグラン)の場合、その効果の持続は4時間とされ(*2)、効き目が早いのは確かですが効き目が無くなるのもまた早く、人によってはいったん薬が効いても数時間するとまた片頭痛の再発に悩まされるわけです。

    このように効果の持続が短い片頭痛薬なら投薬回数を多くすれば事態は改善するのかというとその逆で、今度は過剰な頭痛薬投与が原因の「薬物乱用頭痛」という新たな問題が生じてきます。欧米では頭痛外来に訪れる患者の30~50%に薬物乱用頭痛が見られるというデータもあり(*3)、既存の頭痛薬が却って頭痛を増やす皮肉な事態となっているわけです。

    そこで目を転じてSatsuma社のSTS101を見ると、こちらは長時間の効果持続が第三相試験によって確かめられており、SUMMIT試験における「痛みからの解放」を示すグラフ(下図のオレンジ色の線)が示す通りSTS101が投薬後48時間後でもその効果を持続していることが分かります。ラポポート博士がSTS101を指して「持続的な効果を提供する上で大幅に効果的」というのは、薬物乱用の深刻な問題に日々直面している専門家が、長時間効果を持続する片頭痛薬に大きな有用性を認めていると理解できるわけです。

  • なおこのHealio記事は以下のURLです。時系列でいうとASCEND試験とSUMMIT試験の両方のレポートとりまとめに参加し発表したラポポート博士はその後日、メディアの取材に応じ「STS101=大幅に効果的」と説明しているわけで、これが第三相試験の結果を踏まえた専門家の総合的な評価と理解してよいでしょう。

    『Dihydroergotamine nasal powder provides sustained pain relief in migraine patients』
    https://www.healio.com/news/neurology/20230623/dihydroergotamine-nasal-powder-provides-sustained-pain-relief-in-migraine-patients

  • 神経学の専門家で国際頭痛学会の元会長であるアラン・ラポポート博士がSTS101について「大幅に効果的である」と説明したのに対し、leoさんがこの専門家の言を歪曲して「ラポポートは効果のある薬を期待したいと希望を言った」と主張している点は、なりふり構わないleoさんの書き込みとはいえ、やはり見過ごせないものがあるので説明を加えましょう。

    実際に医療情報メディアHealioの記事より、ラポポート博士のSTS101に関する評価を原文から抜粋すると以下の通りです。

    “STS101 DHE nasal powder was significantly more effective in providing sustained efficacy, which is freedom from pain and the most bothersome symptom, starting at 2 hours and on, as well as pain relief with lower use of rescue medication,”

    私が先日書いたのは、上を解釈を交えず単純に訳したもので「STS101 DHE点鼻粉末は、2時間以降の痛みや最も厄介な症状からの解放という持続的な効果を提供する上で大幅に効果的であり、また、救急薬の使用量を減らして痛みを軽減します」。ラポポート教授はSTS101についてsignificantly(大幅または著しく)effective(効果的)「である」と明確に述べており、「期待したいと希望を言った」はleoさんの歪曲であることがわかります。

    あるいはleoさんが専門家の言を意図的に歪曲したのではなく読み間違えただけと釈明するのであれば問題は基礎的な英語力。この文の動詞はis(である)の過去形was(であった)。小学校の英語で最初に習ったThis is a pen.は、「これは鉛筆です」の意味であり、「これが鉛筆であることを期待します」という意味でないことを思い出してみましょう。

  • 東京ビッグサイトで24日から開催される『第1回 パワーデバイス&モジュール EXPO』、岡本硝子とU-MAPの会社ホームページに両社の共同出展として告知が掲載されましたね。今回は新製品「低熱抵抗TIMシート」のお披露目もある模様こちらにも注目です(*1)。

    かねてより期待されている窒化アルミニウム放熱基板について、岡本硝子の決算説明会資料には「2024年1月よりサンプル販売開始」と予告されており(*2)、いよいよ今年は各メーカーとの仕様すり合わせを経て本格的な生産に入っていくと思われます。

    自動車・スマート家電・データセンター等、あらゆる分野に電子部品が使われ性能向上が競われている中、ネックとなっている電子モジュールの放熱は常に重要な課題。私がその担当者だったら、熱設計に大きな影響を与える画期的新製品のサンプルは東京ビッグサイトに前夜から並んでも確保したいお宝アイテム(⌒-⌒)。そして岡本硝子の初期生産枠が他社の先約で埋まってしまわないうちに、一刻も早く持ち帰って自社製品に組み込む検証を進めねばなりません。また資金のある大手であれば将来の生産拡大についてライバル社に遅れを取らぬよう打診を始めたいところ。岡本硝子とU-MAPにとっても今度の展示会は新しいステージへの入口となりそうです。

    (*1)U-MAPホームページより2024/1/18プレスリリース「【新技術情報】業界最低レベルの“低熱抵抗TIMシート”を開発!」
    https://umap-corp.com/wp-content/uploads/2024/01/プレスリリース低熱抵抗TIMシート_日.pdf

    (*2)岡本硝子 2023年度上期決算説明会資料 p.15
    https://ogc-jp.com/new/wp-content/uploads/2023/12/84e58f2a5f85b50dd99dd247a0f1c138.pdf

  • 元々この話の発端は、出典が示されなかったleoさんの書き込み「ラポポート博士は、サツマが2020年9月辺りでほざいている従来の液体点鼻薬は効くのに30分以上かかっているが、これを短縮しようとしているサツマの試みは素晴らしいと言ってきた訳。」(2023/6/7)ですが、もう一日待ってソースに関する回答が無い場合は、leoさんがこしらえた数多い虚偽のひとつとして扱うことにします。

    ラポポート博士については、安全性を主要評価項目とするASCEND試験の結果を分析してSTS101が安全であることを述べ(2023/6/8に私が説明した内容)、プラセボにより薬の効果をみるSUMMIT試験の結果を受けて2時間以降の痛みや最も厄介な症状からの解放について大幅に効果的と評価を出しており(2024/1/18に私が紹介したHealioの記事)、STS101薬効面では効果の速効性よりも効果の持続性に大きな利点を見ていることが分かります。

    なお速効性についてたぬきの私見を言えば、SUMMIT試験の結果は当初の期待に一歩及びませんでしたが、STS101が持つ携帯性と使いやすさはこれを補って余りある利点と見ています。たとえば速効性の面でいくら優秀な注射薬があっても、片頭痛の発作に襲われた人がその注射を打ってもらいに医院へ行くのに時間が掛かったり、あるいは頭痛がひどすぎて車の運転ができなければそこに行きつくこともできないわけで(ちなみにアメリカで救急車を呼ぶと数万~十数万円の料金を取られる)、鞄から取り出して鼻にひと吹きするだけというSTS101の即時投薬可能という特徴は、片頭痛に悩む患者さんにとってライフオブクオリティの改善につながることでしょう。治験参加者のSTS101に対する評価が高いのもこの点が大きいと考えられます。

    「新日本科学 2024年3月期上期決算説明資料 P.33」より STS101の主な特徴

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