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>>394

中立金利は「1.1〜2.4%」を展望?

植田氏の頭にある数字を類推しよう。日銀の企画局が昨年12月の多角的レビューのワークショップで示した内外5つの推計によると、実質値でみた中立金利は「マイナス1.0%からプラス0.5%」の範囲内にある。

日銀内からは、もう少し狭く「マイナス0.4〜プラス0.4%」という相場観も聞かれる。この推計は23年1〜3月期が最新値。現時点で改めて推計すれば、もっと高まっている可能性もあるようだが、保守的にみて「0%」と置いてもおかしくはないだろう。

名目の中立金利を導くには、ここに予想インフレ率を加える必要がある。予想インフレ率は今回、植田氏がヒントを出している。家計や市場、企業のデータを加重平均した値は「少しずつ上昇を続けてきていて、まあ1%台半ばくらいにあるのかな」という。

だとすれば、現時点では1.5%前後。予測期間の後半にかけては2%程度で固定(アンカー)されるとみられるので、「1.5〜2.0%」の間ということだろう。

この結果、名目の中立金利(実質金利+予想インフレ率)は、広くとれば「1.1〜2.4%」ということになる。もちろん日銀の公式見解ではないが、植田氏がこの範囲から「もう少し絞る」意向を持っているという推論は一応成り立つ。

26年度までの見通し期間の後半に政策金利が中立金利に到達するとみているとすれば、向こう2〜3年に4〜9回ほどの利上げを実施する計算になる。いくら今回の円安がインフレ圧力の強い米国発のものだとはいえ、市場がこのシナリオを完全に織り込めば、日米金利差もさすがに縮小しそうだ。今回もっと強調していれば、円安けん制の材料として、明確な「タカ派パワー」を持ったかもしれない。

もちろん計画がこの通りに進む保証はないが、円安に追い込まれたように見える構図のなかで植田日銀が着々と練る利上げ計画にも注意を払ったほうがよいだろう。