ここから本文です
prismhit~~~令和が始まりましたね!
投稿一覧に戻る

prismhit~~~令和が始まりましたね!の掲示板

>>394

利上げシナリオの「本丸」は円安にあらず

気をつけたいのは、日銀が実際に見据える「本丸」の利上げシナリオは、必ずしも円安とは直接の関係がないことだ。円安の影響に配慮する姿勢をみせつつも、日銀が金融政策の「次の一手」の機を探るうえで決定的に重要だとみているのは、今回の円安よりも前からすでに進み始めている好循環の見極めだ。

今年の春季労使交渉では大企業を中心に歴史的な賃上げがまとまりつつある。中小企業への波及がしっかりとみえ、人件費増が適正に販売価格へと転嫁される流れが確認できれば、好循環が続く確度が高まる。追加の利上げは十分に正当化される。

ここに円安の影響が加わると、好循環の起点である第1の力に、もう一回、上向きの力が加わる。うまくいけば賃金上昇に「プラスアルファ」の効果があるかもしれないが、本丸である好循環の見極め作業のなかでは、主役ではない。

植田日銀は今回の一連の説明で、為替や円安というキーワードをちりばめつつ、ウソのない範囲で円安のけん制を試みたのか。あるいは、円安に背中を押された構図を演出しながら、本丸の利上げに向けた布石を打とうとしたのか。考えられる経路を客観的に語ったまでだと日銀関係者は深読みを制するが、ひょっとしたら両方を狙ったのかもしれない。

それよりも注目すべきなのは、日銀が円安は関係なく、基調的な物価上昇率が2%に上向いていく可能性に自信を示したことだ。

今回から2026年度まで予測期間を延ばした「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、基調的な物価上昇率が「見通し期間後半には『物価安定の目標』とおおむね整合的な水準で推移する」と判断を進めた。