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>>394

「基調的」巡るすれ違いで157円台

「基調的な物価上昇率」という言葉の分かりにくさが、すれ違いと混乱を呼び込んだのかもしれない。26日のニューヨーク外国為替市場で円相場は1ドル=157円台後半まで下落した。

植田和男総裁は18日のワシントンでの記者会見で、円安について「基調的な物価上昇率に影響を与えるという可能性はありうる」と前置きしたうえで、「無視できない大きさの影響が発生した場合は、場合によっては金融政策の変更もありうる」と語った。「基調的」という言葉に注意を払わなかった市場関係者は、円安に対応した利上げを視野に入れていると解釈した。

そして今回の決定会合。

「仮に基調的な物価上昇率に無視し得ない影響が発生するということであれば、金融政策上の考慮、あるいは判断材料になる」

「基調的な物価上昇率に、ここまでの円安が今のところ大きな影響を与えているということではない」

植田氏は会見で、ワシントンでの発言の意味するところを詳しく解説した。ところが説明をすればするほど、「円安に金融政策で直接対応するつもりはない」という日銀にとっての「正論」がクローズアップされ、円売り勢を勇気づける結果となった。

植田氏が会見で何度も言及した「基調的」という言葉は、一時的な要因を除いた、長い目で見た「物価の実力」のこと。表面上の物価上昇率は目標の2%を超える期間が続くが、基調はまだ2%を下回るとみている。

円安は、まずは輸入物価を押し上げ、国内で価格転嫁が進むにつれ、消費者物価に上昇圧力をかける。日銀が「第1の力」と呼ぶものだ。次に、この物価高の圧力が賃金上昇に波及すれば、国内需要に根ざす「第2の力」が働き始める。やがて賃上げが今度は物価を押し上げ、賃金上昇を伴う緩やかな物価上昇が自己回転する「好循環」につながる。このメカニズムによって動くのが、基調的な物価上昇率だ。

つまり円安という要素は、最終的に好循環のさらなる進展をもたらし、基調的な2%の物価上昇の定着に向けて寄与していると確信できて初めて、利上げの判断に関わってくる。円安が金融政策を動かすとすれば、そんな回りくどい道のりになる。「円安が進んでいるせいで消費者の生活が大変だから、物価高を止めるために利上げをする」と言っているわけではない。