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リヴィアン・オートモーティブ【RIVN】の掲示板 2022/05/19〜2022/09/09

 環境規制が強まる中、投資とコストを効率化し生産規模を迅速に拡大し、法人顧客に対し、手頃な価格でEVを提供する体制を構築する目的のため、RIVNはメルセデスベンツと折半出資でEV大型バンの欧州工場を5年以内につくる覚書を交わしたと発表した。メルセエスベンツは小型電動バンに関してはルノーや日産と既に協力生産で実施しているが、大型バン協業に関してはRIVNが初めてで、新工場ではEV大型バン2種類を生産し、1種類はメルセデス・ベンツが新しく開発する完全電化バン用プラットフォームで、もう1種類はリビアンが開発中のR2完全電化プラットフォームで製造する計画、新工場の設立場所はルーマニアかポーランドが浮上している。

(1)メルセデスベンツの戦略:
 今後も高級車専門メーカーとして成長するためにハイエンドの高級車を開発し続け、持続可能性と電動化の道を加速化し、収益性の高い企業を目指すメルセデスベンツは7月末に「2025年以降に発売する新型車は全てEV社にする」と発表し、「2025年に導入する3種類のEV専用アーキテクチャをベースにしてそれ以降の新車を開発する」と。更に、「8つの電池工場を新設し、2030年までに電動化に400憶ユーロ(約5兆2000億円)を投資する」と驚くべき画期的な発表をした。

 主力戦略として、ラグジュアリー戦略の高度化を推進し、収益性の高い市場セグメント向けモデル開発に75%以上の投資を割り当て収益構造の更なる向上を目指す。20年半ば迄の営業利益目標を良好な市場環境で14%以上、不利な市場環境で少なくとも10%のマージンを目指すとしている。

(2)製品ポートフォリオ3クラス戦略:
(A)エントリー・ラグジュアリークラス:
 EVプラットフォーム「MMA」をベースにした新型車の生産を拡大するとともに、新規メルセデスベンツ・オペレーティングシステム「MB.OS」を採用し、搭載機能のレベルアップを図り24年に発売する計画。このモデルが今後の方向性を示すことになると言う。なお、Aクラス、Bクラスの生産を終了し、モデルバリエーションを7種類から4種類に減少して、ラグジュアリー性を高める方針に変えていく。
(B)コア・ラグジュアリークラス:
 現在の、「Cクラス」「Eクラス」とその派生モデルを含み、「EVA2」「MB.EA」プラットフオームを活用して23年発売開始の新型「Eクラス」を始めとしてEV化を加速し、EV市場で急成長の中国市場向けに「EVA2」仕様で特別設計モデル車を追加して更なる成長を目指す。
(C)トップエンド・ラグジュアリークラス:
 EVの「Mercedes-EQ」シリーズのトップモデル「EQS」に加えて、23年に「EQSSUV」の販売を始め、「Mercedes-MaybachSL」など最高級のラインアップを拡充する。さらに、米国デザイナーと協力してデザインした「Mercedes-MaybachSクラス」の限定生産も計画している。その他、「コレクターズエディション」版の企画を推進中。また、熱狂的なファンやコレクターのみに歴史的な名車と肩を並べる特別モデルを提供する計画もあると述べている。

(3)EV生産戦略:
 生産体制に関して、生産・サプライチェーンを担当するヨルグ・バルツアー取締役は、「EQシリーズの成功を受け、生産体制の計画を明確化して、メルセデスベンツの戦略[電気自動車のみを作る]という方針をぶれることなく実践していく。新生産体制に基づき柔軟性と効率性を高め、生産拠点を強固な体制にすることを目指します」と明言しています。工場別の生産拡大に関しては長くなるのでここでは省略いたします。

 メルセデスベンツは2030年までに、生産に必要なエネルギー需要の70%以上を再生可能エネルギーで賄う計画を持っており、23年末までに大容量の太陽光発電所を稼働させる計画で2025年までには太陽光発電システム設置に大幅な投資を実行する。また、近い内に10億ユーロ相当の風力発電の新規電力購入契約に投資することも計画している。自社拠点での太陽光発電や風力発電の拡大とそれに対応する電力購入契約の更なる締結を実施して目標が達成できるとしている。   
 次の段階として、水の消費量削減、サプライチェーンや物流をカーボンニュートラルに向けてチャレンジを既に開始している。その歩調に合わせて内燃エンジン車の生産を縮小してEV化を強力に推進するという戦略方針を強化すると言う。

(4)バッテリー生産:
 併せてバッテリーの供給体制強化計画を推進しており、ドイツの3社、ポーランド、北京、タイの増産に続いて、米国アラバマ州に建設中のバッテリー工場が今年まもなく操業を開始し高効率バッテリーシステムを生産することになっている。2030年までに8つのバッテリー工場を新設する計画になっている。

(5)次世代電気モーター:
 EVに不可欠な電気モーターに関して、イギリスの電気モーター会社「YASA」を買収したことにより、次世代の超高性能軸流電気モーターの製造・組み立てをベルリン工場で実施する計画のために独自の軸流モーター技術とノウハウを確保したことが将来的にEVの高性能化とコスト削減に貢献することが約束されたことは大きなメリットである。

 大型EVバン生産工場設立でメルセデスベンツと協業化が決定したRIVNにとって、北米以外の欧州での顧客拡大に加えて、第三工場設立用の投資額が半減(約20~25億$)し、更に、生産面で最も重要なバッテリーの確保が安定化すること、更には、次世代の電気モーターの納入先が見えてきたことはEVのサプライチェーン問題低減及び開発投資並びに生産コスト削減に寄与することが大いに期待される。