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テスラ【TSLA】の掲示板 2023/01/14〜2023/01/16


続き メディアによって見方がずいぶん違うので、当たるも八卦当たらぬも八卦といったところでしょうか。

それでも株価収益率は堅調

一方、テスラ社の実績は年初目標に届かなかったとは言え、生産台数、納車台数ともに前年比40%以上も伸びていて、既存の自動車メーカー(自動車OEM)とは比較にならないくらいの成長率です。

この実績と株価が釣り合うのかという疑問は、テスラ社の株価が急騰した頃から消えていません。自動車メーカーではなくIT企業としてみているからだという見方や、マスクCEOの言葉を信じる投資家が多いからだという認識までさまざまです。

はっきりした理由がわからない以上、現在は急落しているとは言え、短期的な株価の上下を気にしても仕方ないとも言えます。

なおロイターによれば、マスクCEOは2022年12月28日にテスラ社の従業員に電子メールを送り、「株式市場の狂気にあまり悩まされるべきではない。われわれが優れた業績を上げ続ければ市場も評価する」、「長期的にはテスラが地球上で最も価値のある企業になると強く信じている」と強調したそうです(2022年12月29日付電子版)。

テスラ社では従業員に株式による報酬を提供しているので、不安が大きかったのかもしれません。それにマスクCEOの言動がテスラ社の株価に影響を与えているという指摘もある中では、従業員にしてみると、Twitterよりテスラの方に本腰をいれておくれよ、という思いがあっても不思議ではないでしょう。もし筆者が従業員だったら、そう願うだろうなあと思うのです。

大幅値下げはどう影響するか

そうこうしている中、テスラ社は各国で大幅な値下げを発表しました。

【関連記事】
テスラがモデル3とモデルYを大幅値下げ~ライバルはIONIQ 5とATTO 3?(2023年1月7日)

ロイターは1月9日、値下げ後に中国ではモデルYの「RWD」と「ロングレンジ」の納車までの期間が1週間延びたと伝えました。いつものことですが、突然の値下げで怒りを爆発させる購入者もいるようです。

この値下げの影響がいつ頃、どの程度出るのかは、3か月後の速報発表を待つしかありません。複数の報道によれば、中国での値下げは2022年10月24日に続いて2度目です。

ただ中国乗用車協会(CPCA)の発表によれば、値下げ直後、2022年12月のテスラの販売台数は5万5796台で、ロイターは5か月ぶりの低水準になったと指摘しています。

同時期のEV販売台数は、BYDが23万4598台、GM系の上汽通用五菱が85万632台でした。わずかな期間では影響を判断できませんが、中国での立て続けの値下げに販促の意味も含んでいるとしたら、少なくとも中国市場の競争が激しくなってきていることになります。

日本でのEVの種類の増え方も急激ですが、世界ではさらに多くのEVが市場に出ています。競争の激化がテスラの販売台数にどのように影響するのか、これからも追いかけていきたいと思います。

ところで、そうした変化の激しい場所で日本勢がどうなっているかというと、ほとんど存在が見えません。ソニー・ホンダモビリティーの新ブランドも発表されましたが、発売はまだ先のこと。その頃には、世界はさらに先を走っているのは間違いありません。テスラですら一人勝ちができない状況の中、日本勢がいつ頃キャッチアップできるのか、あるいはこのまま沈んでいくのか、2023年にはその一端を見ることができるのでしょうか。

文/木野 龍逸



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