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胆力の掲示板

ガザ休戦交渉、最終局面に ハマスに提案受け入れ圧力

2024/05/03 03:08  日経速報ニュース    1012文字  画像有  


 【カイロ=岐部秀光】イスラエルとパレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスによる休戦協議が最終局面に差し掛かっている。返還を求める人質の数を減らして歩み寄りをみせたイスラエルの提案を受けるよう、関係国がハマスへの圧力を強めている。
 ハマスの2日の声明によると、最高指導者のハニヤ氏はエジプトのカメル総合情報庁長官に「(休戦合意の)議論を完了させるため」代表団を派遣すると伝えた。代表団は3日にもエジプト入りする見通しだ。ハニヤ氏は提案を「前向きに」検討していると述べた。
 今週、中東を訪れた米国のブリンケン国務長官は「話し合いをさまたげているのはハマスだ」と批判した。「遅れや言い訳はなしだ」とも述べ、交渉を引き延ばすための時間稼ぎをしないようクギを刺した。
 仲介役のエジプトやカタールもハマスに提案を受け入れるよう圧力を強める。
 休戦協議が崩壊となれば、イスラエル軍は準備しているガザ最南端のラファへの侵攻を始める口実にしかねない。人道危機がさらに深まるのは確実だ。
 エジプトは国境を越えて多くの難民が押し寄せることを警戒する。イスラム過激思想が根深く残るシナイ半島がさらに不安定になりかねない。
 同様に仲介役を務めるカタールも米国の親イスラエル派から強い批判を浴びる。ハマスを擁護することの負担の大きさを意識し始めている。

  • >>4020

    ハマスにはイスラエルの提案に即答できない事情がある。政治部門と武装組織のあいだに考え方の大きなへだたりがあり、ガザの指導者シンワル氏ら強硬派はイスラエルへの譲歩に強く反対している。人質をイスラエルに引き渡すことで交渉カードを失い、組織存続の危機が深まることへの警戒もあるだろう。
     イスラエルは最新の提案で40日間の休戦と引き換えに33人の人質の返還をハマスに求めている。ハマスは休戦期間を数カ月単位に伸ばすことや、イスラエルが攻撃を仕掛けない保証の要求を示唆している。
     休戦協議が大詰めを迎えるなか、人道危機を緩和する動きも広がっている。海上からのガザへの人道支援物資の搬入のため米軍が建設していた桟橋は数日中に完成する見通しだ。
     イスラエルのネタニヤフ首相はラファ侵攻を取り下げるつもりがないと重ねて強調している。「敵を打ち負かすために必要なことはラファ(侵攻)も含めてすべて実行する」。2日開かれたイスラエル兵の追悼式典でこう語った。
     米国はイスラエルにラファ侵攻で自制を繰り返し求めている。