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日経平均632円安 ソロス一派「NVIDIA株売却」に過敏反応

8日の東京株式市場で日経平均株価が大幅反落し、終値は前日比632円安の3万8202円だった。7日に米国の著名投資家、スタンリー・ドラッケンミラー氏が半導体大手エヌビディア株の持ち高を減らしたことを明かし、日本の半導体関連株の売りにつながった。生成AI(人工知能)の成長曲線を巡る投資家の疑心暗鬼が続いている。

値がさの半導体関連株の多くが売られた。ディスコが一時3%安、東京エレクトロンアドバンテストレーザーテックが一時2%安となった。

きっかけは、米著名投資家ジョージ・ソロス氏の右腕として知られたスタンリー・ドラッケンミラー氏の発言だ。同氏は7日の米CNBC番組で、3月下旬にエヌビディア株の持ち高を減らしたことを明らかにした。AIブームで株価が急伸し、短期的に買われすぎたためだという。「AIは長期ではまだ過小評価されているが、短期的にはやや過大評価されている」と指摘した。

  • >>6591

    この発言が影響し、7日の米国株市場でエヌビディア株は1.7%安で終えた。売りの勢いは8日の日本株市場に波及。前日に大きく上げていた半導体関連株が売られた。楽天証券経済研究所の香川睦チーフグローバルストラテジストは「AIに疑心暗鬼になっている人にとって、ドラッケンミラー氏の発言は利益確定売りの口実になった」とみる。

    主力の半導体関連株の下落で相場全体も弱気に傾いた。前日の取引終了後に2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が2期ぶりの増益になるとの見通しを示したリコーは一時10%安となった。25年3月期の純利益予想は前期比9%増の480億円と、事前の市場の予想平均であるQUICKコンセンサスの593億円を大きく下回った。

    岡三証券の松本史雄チーフストラテジストは「足元の決算シーズンでよくみられる、堅調な業績予想でも市場予想に届かず売られるパターン」と指摘した上で、「相場全体の弱さで売りが膨らんだ面がある」と話す。前日に1000億円を上限とする自社株買いを発表した川崎汽船も取引開始直後の上昇から下落に転じ、午前に一時3%安まで下げた。

    もっとも、ドラッケンミラー氏は生成AIの将来を見限ったわけではない。同氏はAI投資が1990年代のインターネット普及と同様に大きな波になるとの見方も示している。楽天証券の香川氏は「22日のエヌビディアの決算発表で市場成長を確認できれば、再び半導体関連株は買われていく」とみる。

    震源地となったエヌビディア株は7日に下げたとはいえ、下落率は1.7%どまりだった。ハイテク株の構成比率が高い米ナスダック総合株価指数は0.1%の下げにとどまっている。

    一方、8日の日経平均の下落率は終値で1.6%と米ナスダック総合株価指数を大きく上回った。まるで源氏が平家を破った「富士川の戦い」で苦境の平家が驚いて逃げた「水鳥の羽音」のような光景だ。ソロス一派の「エヌビディア株売却」に過敏に反応したこの日の市場は、投資家が触手を伸ばす物色の柱が半導体関連に限られる日本株のもろさを示したと言えそうだ。