ここから本文です
prismhit~~~明日から令和ですね。
投稿一覧に戻る

prismhit~~~明日から令和ですね。の掲示板

試練のApple、「賢人」売りは反転の号砲か

6日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均は前週末比0.5%高の3万8852ドルで終えた。ハイテク株が相場をけん引する中で、振るわなかったのは4日に「オマハの賢人」ことバフェット氏率いる投資会社が追加売却を明らかにしたアップル株だ。巨大テック銘柄の中でも出遅れが目立つが、来月にも開く人工知能(AI)関連イベントを前に、株価の反転を期待する声が漏れ始めている。

6日の相場けん引したのはハイテク銘柄の上昇だ。前週末3日の米雇用統計で米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が再び意識され、グロース株にリスクマネーが流入した。ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は1.2%高い1万6349だった。

エヌビディア株が3.8%高と気を吐いたほか、メタも3.0%上げた。主要な半導体銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.2%上昇。米景気の軟着陸への期待から中小型株で構成する「ラッセル2000」も1.2%高となった。

相場のリスクオンムードが高まる中、巨大テック銘柄「マグニフィセント7(MAG7)」でこの日、唯一振るわなかったのがアップルだ。バークシャー・ハザウェイが4日発表した四半期報告書によると、1〜3月期にアップル株を13%程度売却していたことが分かった。

  • >>6581

    アップルはこのところ逆風に見舞われてきた。昨年末から年初にかけて腕時計型端末「Apple Watch」の一部機種が米国内で複数回にわたり販売禁止になった。3月には欧州委員会が18億ユーロの罰金を科したほか、反トラスト法(独占禁止法)に違反した可能性があるとして米司法省がアップルを提訴している。中国ではスマートフォン「iPhone」の販売が減速している。

    市場の懸念を映すように、株価は年初から低空飛行が続いてきた。昨年末比の騰落率は5.6%のマイナス。MAG7で昨年末の水準を下回るのは、アップルとテスラ(25.6%安)の2銘柄のみだ。

    だが、5月に入りアップル株を取り巻く環境に変化がでてきた。4月末比の上昇率は6.7%とメタ、アマゾン・ドット・コムに次ぐ水準だ。エヌビディアの上昇率もわずかに上回る。

    MAG7の中でも出遅れていたAI技術の導入が業績拡大のドライバーになるとの期待が高まっている。ティム・クック最高経営責任者(CEO)はかねて「生成AIを年内に発表する」と述べており、6月10日から開く年次開発者会議「WWDC」がお披露目の舞台になるとの見方が強まっている。米モルガン・スタンレーのエリック・ウッドリング氏は「強気にならないのは難しい」と指摘する。

    実際、2日の決算発表でAIイベントへの期待が高まったことを受け、アップルの目標株価を引き上げる動きが相次いでいる。米JPモルガンが2日、225ドルに引き上げたほか、モルガン・スタンレーも216ドルに上方修正している。JPモルガンのサミック・チャタルジー氏はAI搭載スマホの発売を念頭に「想定を上回る業績見通しで(株価上昇に向けた)強力な発射台が整いつつある」と強調する。

    バフェット氏は4日の株主総会で、アップル株の保有見直しは売却益にかかる税率が変更される可能性があることを理由に挙げた。「(アップルは)極めて素晴らしい事業だ」と持ち上げ、会場に駆けつけたクック氏を安心させた。

    アップル株の売却に動いても「24年末時点で最大の保有株である可能性が極めて高い」(バフェット氏)。アップルのクック氏が、依然大株主にとどまるバフェット氏に報いる日はそう遠くないかもしれない。