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MicrosoftとGoogle、異次元のAI投資 覇権争いはや佳境

米マイクロソフトと米グーグル親会社のアルファベットが25日に発表した2024年1〜3月期決算は増収増益で好調だった。好決算の陰で際立ったのがともに2倍近く膨らむ設備投資だ。AI(人工知能)という新たなテクノロジーの覇権を巡る争いは巨額の投資競争が始まり、はやくも佳境に入りつつある。

マイクロソフトの純利益は前年同期比2割増の219億3900万ドル(約3兆4000億円)、アルファベットは57%増の236億6200万ドルだった。インターネット経由でIT(情報技術)インフラを提供するクラウドサービスが両社とも約3割の増収だった。

市場予想を上回る業績を投資家は評価し、米株式市場の時間外取引でマイクロソフトは終値から6%高、アルファベットは15%超高となった。

時価総額はそれぞれ3兆ドル、2兆ドルに届く。世界のマネーを吸引する米テック大手「マグニフィセント7(壮大な7銘柄)」にふさわしい結果だが、両社の目線はAIが開く新時代の競争にすでに向かっている。

それを象徴するのが本格化したAIへの巨額投資だ。

「クラウドやAIインフラ投資がけん引し、4〜6月の設備投資は1〜3月を大幅に上回る。25年度(24年7月〜25年6月期)も24年度を超える」。マイクロソフトのエイミー・フッド最高財務責任者(CFO)は決算会見で話した。

  • >>6247

    3カ月で2兆円を投資

    さらりと語ったが、24年1〜3月の設備投資額(リース資産含む)は8割増の140億ドルだ。円換算では2兆円を超える額を3カ月で投じる異次元の投資で、AIに計算能力を供給するデータセンターなどを世界で増設する。業種は異なるが、トヨタ自動車の年間の設備投資額に匹敵する金額規模だ。

    日本に2年で4400億円を投資するだけでなく、英国やドイツなど各地で数千億円規模の設備増強を表明ずみだ。

    グーグルも1〜3月の設備投資は120億ドルと前年同期から9割増やした。サーバーなどデータセンター向けが大部分を占めるといい、ルース・ポラットCFOは「急増はAIがもたらす機会への自信のあらわれ」と説明する。

    米アマゾン・ドット・コムも25日、米インディアナ州で110億ドルを投じデータセンターを新設すると発表した。

    クラウド3強が他を寄せつけない投資競争に入った。巨額の先行投資で顧客を囲い込みながら、収益化で先行を狙う。

    先頭を走るのは、生成AIで稼ぐビジネスモデルを築きつつあるマイクロソフトだ。19年に出資した米オープンAIとの提携をてこに、あらゆる既存事業にAIを融合させている。

    「Chat(チャット)GPT」などをクラウド経由で使えるサービスの顧客数は世界で5万社を超え、オープンAIの技術を使いたい企業がマイクロソフトに流れ込む。世界シェア2位のクラウド基盤「Azure(アジュール)」などの売上高は1〜3月に前年同期比31%増えたが、AIが7ポイント押し上げた。

    従来からの主力製品、基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」や業務ソフト群「マイクロソフト365」にも文書の作成や要約をAIが支援する機能を組み込み、企業向けに月額30ドルの定額課金で販売する。

    マイクロソフトのフッドCFOは「短期的なAI需要は当社の供給能力をやや上回る」と話す。

  • >>6247

    AI研究の蓄積があるグーグルも手をこまぬいてはいない。生成AI開発を傘下のグーグル・ディープマインドに集約し、2月に生成AIの基盤技術「Gemini(ジェミニ)」を投入した。対話AIや画像生成AIなどに広く展開し、定額課金サービスの会員増につなげる。

    生成AIを動かすインフラに巨額を投じ、素早く実需を取り込む。データセンターで使う半導体から、数億ドル規模の開発費がかかるとされる大規模言語モデルの開発までを一気通貫で手がける巨大テックだからなせるわざだ。

    1〜3月の研究開発費はマイクロソフトが10%増の76億ドル、アルファベットが4%増の119億ドル。マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは「技術のパラダイムシフトにおけるリーダーであり続ける」と余念がない。

  • >>6247

    世界のIT投資、24年に5兆ドルに成長

    熱を帯びる覇権争いは世界のIT投資を押し上げる。米調査会社ガートナーは24年のIT投資が前年比8%増の5兆ドルとなり、同3.8%増の23年から伸びが加速するとみる。けん引役が10%増(23年は4%増)と急伸するデータセンター向けだ。

    それでも、巨額投資を回収できるだけの利益を稼げる保証はまだない。足元でAI需要を取り込むクラウド事業が全社の売上高に占める割合は両社とも半分以下だ。

    主力事業でのAI収益化が焦点

    マイクロソフトは業務ソフト、グーグルはネット広告や検索といった主力事業でもAIが収益に貢献するかが焦点となる。

    AIに注力する米メタのマーク・ザッカーバーグCEOは24日、AIから収益が上がるようになるまで「数年かかる」と述べた。米エヌビディア製半導体の高騰などもあり、当面は先行投資がかさむとの見方が強まっている。

    パソコンやスマホの登場はIT産業の覇権交代を促してきたが、生成AIではむしろ過去の資産の蓄積で巨大化した米テックの支配力が強まる懸念がある。米調査会社ピッチブックによると23年に約250億ドルだった米国の生成AIスタートアップへの投資のうち、過半はマイクロソフトやアマゾンなどテック大手によるものだった。

    米連邦取引委員会(FTC)や英競争・市場庁(CMA)はテック大手と新興勢の関係が健全かどうか調査に乗り出した。生成AIの恩恵を社会に行き渡らせるのは巨大ITか競争当局かはまだ見えていない。投資回収に加え、規制当局との渉外の巧拙も試される。