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NEXT NOTES ドバイ原油先物 ベア ETN【2039】の掲示板 2016/02/10〜2018/09/18

ブルームバーグ記事「20年間の職責全う、OPECサウジの原油最高責任者へ惜別」抄訳2

「原油価格なんて気にしていない」「30ドルだろうが70ドルだろうが、我が国には同じだ。高原油価格を前提としない計画を我が国は持っている」とムハンマド副皇太子は4月のブルームバーグのインタビューで応えている。
アル・ナイミ氏はファード王やアブドゥーラ王の下では比較的自由に原油政策を決められたが、昨年のサルマン国王への王権継承と同国王の子息ムハンマド皇太子の台頭で氏の政策立案の許容範囲は狭まったと見られる。

4月17日のドーハの会議では参加国が原油価格高揚のために増産停止を論じたが、ロシアやベネズエラの石油相によるとナイミ氏には条約締結の権限が与えられていなかったと言う。
ムハンマド副皇太子がイラン抜きでの合意に反対したと見られ、実際話し合いは物別れに終わった。

アル・ナイミ氏こそ18ヶ月前にOPECに原油増産維持策を命じた張本人である。
100ドル/バレル近い原油価格死守のための減産策ではなく、高コスト産油業者、とりわけ米シェールオイル採掘社を市場から放逐すべくナイミ氏は増産戦略を選択した。
この戦略は成功の兆しを見せている。全米リグ数は記録的規模で減少し、シェールオイル生産量も減っている。エクソン・モービルを始めあらゆる規模の企業が投資額を減らしている。
とは言え、サウジ自身も外貨準備高流出や経済成長鈍化など大きな代償を支払っている。

他方でこの戦略は一枚岩だったOPECをクェートやカタールなど湾岸諸国の富裕国連合と現金収支に苦しむベネズエラ、ナイジェリアなどの負け組に引き裂いた。
かつては原油価格高値維持を通じて世界経済を震撼させたOPECも今では不効率な巨大組織になり下がった観がある。