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(株)IJTT【7315】の掲示板 〜2015/04/28

割安のワナ脱出の道 「PBR1倍割れ」再評価 スクランブル
2014/08/27 02:00 日経速報ニュース

26日の株式市場で日経平均株価が反落した。9連騰が話題になったとはいえ、株価の水準は昨年末を5%下回る。むしろ、最近目立つのは中小型株の底上げだ。PBR(株価純資産倍率)が1倍を下回るような安値で放置されてきた銘柄への見直しが顕著になっている。20年を超える株価の低迷で、「万年割安株」のワナから抜けられないと言われ続けた日本株が、脱出を果たす日は来るだろうか。
 この日気を吐いた銘柄がある。内田洋行株だ。前日に2014年7月期の純利益が53%増えたと発表して、買いが膨らんだ。一時は制限値幅の上限(ストップ高)の水準まで上昇し、終値でも14%上げた。
 12年7月期まで4年連続で最終赤字だった。主力のオフィス向け用品は、デフレで企業のコスト削減の逆風を浴びた。そうした景況感が今は反転、独自に学校や自治体向けの需要も掘り当て収益が上向いている。
 注目すべきはずっと低評価で放置されてきた点だ。この日の上昇後もPBRは0.75倍。キャッシュリッチでも知られるが、本業が稼げるようになり、評価が変わる気配がある。
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 内田洋株の人気は、割安銘柄の「変化」を探すマネーの動きを象徴する。8月も、タチエスや日本トムソン、堺化学工業などPBR1倍割れの銘柄を大量保有しているとの開示が相次いでいる。SMBC日興証券で中小型・成長株を担当する村上貴史氏は「投資家訪問を受けるという企業が増えている」と話す。
 「割安のワナ(バリュートラップ)」という言葉がある。PBR1倍割れは株価が解散価値である1株当たり純資産を下回ることを意味する。一見割安だが、それには理由があり、投資しても一向に株価が上がらないままの銘柄も少なくない。日本株は長らくこのワナに足を取られていると見られてきた。東証1部の4割が今なお1倍割れだ。
 しかし、JPモルガン・アセット・マネジメントの榊原可人氏の目には、これが変わるかもしれないと映る。「バブル後の長期の下落トレンドが終わりつつある。収益力の再評価が始まる」。インフレの風に変われば、デフレ下で進めた改革で、利益をしっかり出せる企業が増えてくる。自己資本利益率(ROE)は判断に欠かせない指標だ。
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 もちろん、全ての銘柄が上がるわけではない。20年以上、割安株投資に携わってきた楽天証券の窪田真之氏は「環境変化の中で、収益性を高められる可能性があるかが重要だ」とみる。
 NECは今年1月にPBR1倍割れから復活した。スマートフォンからの撤退などの大胆な合理化で収益力を回復し、市場の期待を呼び戻した。こうした企業がどう広がっていくかだ。
 PBRの1倍はあくまで「普通」への第一歩だ。次のステップは「安定的に収益を稼ぐ志向に変わっていくこと」(UBS証券の大川智宏氏)になる。資本を最大限生かした米国の背中は遠いが、裏返せば変化の余地では日本の方が大きいともいえる。日本株に世界の投資家が注目する理由はそこだろう。(丸山修一)