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【USD】ケース・シラー米住宅価格指数の掲示板

テールリスクに備えるトレーダー、米利上げなし想定のポジション急増
8/13(金) 18:15配信

(ブルームバーグ): 世界的な景気回復を巡る楽観を背景に米国債利回りは上昇しているが、ユーロドルオプション市場では米連邦準備制度が全く利上げをしないと見込むポジションが積み上がってきた。

トレーダーらは今週、2025年3月の3カ月物ロンドン銀行間取引金利(LIBOR)が0.5%未満と見込むユーロドル・コールオプションを買い急いだ。事実上の米ゼロ金利がそれまで維持された場合に利益が出るポジションだ。ユーロドル先物市場は現在、LIBORが25年1-3月(第1四半期)までに約1.47%に上昇するとの予想を織り込んでいる。

米利上げが全くない極端なシナリオが実現するテールリスクに備えるヘッジ目的のこのポジションは、過去1週間に積み上がった。ロンドンとシカゴの事情に詳しいトレーダーによると、12日の取引では11万枚以上のオプションが買われた。暫定建玉データによれば、未決済ポジションは15万3000枚超と、1週間前の約2万2000枚から膨れ上がっている。

米金融当局が25年末まで記録的な低金利を維持するシナリオは恐らく、世界経済が新型コロナ禍から回復できず主要中央銀行が超緩和的な政策を継続している状況を意味する。

トレーダーは既に、ユーロドルのヘッジに約650万ドル(約7億1700万円)を投じている。原資産である先物は25年3月限だが、オプションは今から7カ月後の22年3月に満期を迎える。

過去数日にはLIBORがマイナスになることを見込むオプションも買われた。トレーダーらが世界の景気回復の大幅な遅れに備えていることを示すもう一つの指標だ。

原題:Traders Pile Into Tail-Risk Bets That Fed Won’t Hike at All(抜粋)

(c)2021 Bloomberg L.P.