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全値戻協会本部~南無全値戻心経~の掲示板

始まる「金利高・株高」時代 日本株にデフレ脱却期待
編集委員 川崎健

突然の実質利上げに動いた「日銀ショック」から年末年始を挟んで3週間。当初はネガティブに反応した日本株の投資家の間に、その影響を冷静に考え直す動きが広がっている。金利上昇が日本経済の本格的なデフレ脱却を示すものであれば、株価にもプラスに働くはず。物色動向に目をこらすと、そんな「金利高・株高」の世界を先取りする動きも出始めている。

「これは直感には反する事実だ(カウンター・インテューイション)」

ここ数日、JPモルガン証券の西原里江チーフ株式ストラテジストは、日本の長期金利と株価収益率(PER)の関係を示す、ある表を海外投資家に示している。すると、大半の投資家からは、こんな驚きの言葉が返ってくるという。

2000年以降の日本の10年債利回りと東証株価指数(TOPIX)の12カ月先予想PERについて、金利水準ごとにPERの中央値を並べたこの表をみると、ある興味深い事実が浮かび上がる。

「長期金利が上がれば株価のPERは下がる」という金融の教科書が教える事実には反し、両者にはそんな逆相関の関係が全く働いてこなかったのだ。

より詳しく見ると、日本の金利とPERの関係には、3つのフェーズがあったことが分かる。

1つ目は、2016年や19年のように長期金利がマイナス圏に突入した局面だ。金融経済に与えるマイナス金利の悪影響を懸念し、株価のバリュエーションは切り下がり、PERは低下した。

2つ目は、現在のように、長期金利が0~1%だった局面だ。PERの中央値は13.6~14.2倍の狭い範囲に収まり、金利が上がってもPERはほとんど影響を受けなかった。

そして、長期金利が1%を超えた局面が3つ目だ。金利上昇を警戒してPERが切り下がると思いきや、逆にPERは跳ね上がっている。言い換えると、長期金利が1%を超えたところで株は大きく買われてきた。