ここから本文です
投稿一覧に戻る

株式投資サロン「株式投資で資産増加をめざしましょう。」part2の掲示板

事例研究として6254野村マイクロと1944きんでんの例についてもう少し考えてみました。

当期業績の実績は似かよっています。
共に、公表業績比東証の上方修正基準(売上+10%、利益+30%)は達成していませんが、売上、利益とも公表を上回り、かつ増配をしています。

野村マイクロは本決算前に自主的に上方修正、増配を発表し、キンデンは何もせず、そのまま本決算で発表しました。
当然のことながら野村マイクロの発表はサプライズで、株価はストップ高となりました。

この違いは何か?まさに経営者の株価に対する意識の違いが如実に現れた事例だと思います。

野村マイクロの決算発表予定日は5月15日ですが、もしきんでんのようにそれまで何も発表せず、かつもし翌期予想が冴えなければ、ストップ高どころか株価下落の可能性もあります。
特に、最近は配当性向を公言している会社が多く、野村マイクロの場合も30%を目標としており、上方修正と増配がセットとなり、
市場にサプライズを与えました。これは経営者のIR戦略の勝利と言えます。

さて、ここで、取締役会について考えてみます。
会社法で取締役会は最低3か月に一度は開催が義務付けられていますが、通常は月1回定例日ないし、定例曜日の定例取締役会を開催する会社が多いと思われます。

決算については翌期業績予想を含め、取締役会の決議事項です。すべての数字は事前に決定していますが、通常は決算発表日の朝、臨時取締役会を開催し、決議し、
午後、公表の流れになる会社が多いと思います。しかし、上方修正となると、以前の決議事項の修正ですので、更に臨時の取締役会で決議する必要があります。
定例のほか、臨時2回となり、実はこの時期スケジュール調整が大変です。

私は、このあたりの調整が大変で多くの企業は当初の基準以下であれば、上方修正を出さず、本決算に発表している可能性が強いと見ています。

ただ、ここでもう少し考えなければならないのが、本決算発表予定日です。野村マイクロは5月15日、きんでんは4月24日です。
通常決算数字がほとんど固まるのは4月中旬であり、きんでんは発表が早く、評価できます。
ただ、早すぎると、本決算発表前に上方修正する余裕がなくなります。まさか、4月20日上方修正、増配。4月24日本決算発表はやりずらいと考えます。

その点、野村マイクロは余裕があり、今上方修正、増配を出しても不自然でありません。

サプライズとなるIRのタイミングは難しいのですが、もしきんでんが野村マイクロと同じように本決算前に上方修正、増配を出していれば、株価は大きく跳ねたと思いますが、きっと経営者はそのようなことは頭の片隅にもよぎりもしていないのだと思います。
センスがないのでしょうか?

実は今日は旧なかちゃんさんが頑張っていた7241フタバ産業の決算発表ですが、きんでんのように、上方修正のチャンスがあったにもかかわらず、チャンスを逃した決算になっていないか注目しています。