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(株)三菱UFJフィナンシャル・グループ【8306】の掲示板 2024/01/19〜2024/01/21

「疾風に勁草を知る」という言葉があります。意味は「疾風の中に折れずにいる勁(つよ)い草、また、疾風が吹いて初めて勁い草であることが分かる。」という意味です(人に当てはめる意味もあります)。
異次元の金融緩和という施策がなされて以来銀行業界は冬の時代を迎えました。その期間は、2人の総裁の在任期間、合計すると実に10年を超えています。その間銀行業界には逆風が吹き続けました、ゼロ金利からマイナス金利の導入で利ザヤを稼ぐことはできず、振込み事務もコンビニの後塵を浴びる始末でした。
銀行業界は生き残りをかけて数々のリストラを行ってきました。支店の数を減らし、行員の数を減らし、幹部自らが現場に出て新たな顧客の開拓に当たる等様々な業務改革・意識改革・組織改革を迫られてきました。
真摯な努力の結果、体質をすっかり筋肉質に転換したうえ、稼ぐ力を取り戻し、今期2Qの決算は最近にない目覚ましいものがありました。あとは金利の上昇さえあれば鬼に金棒と感じます。

そして、金利にもやっと明るい兆しが見えてきました。日銀がマイナス金利解除の出口戦略を模索し始めているといいます。植田総裁はその時期について慎重な姿勢を崩してはいませんが、その一方で春闘の状況などを見定めて判断したいとも語っています。つまり春闘の結果が一つの判断材料であることを明言したのです。
本年1月17日、経団連、商工会議所、経済同友会の3者の連名で「構造的な賃上げによる経済好循環の実現に向けて 」と題する提言をまとめています。その中には「全従業員数の約7割を雇用する中小企業が自己変革による付加価値拡大とともに、価格転嫁を通じて持続的な賃上げの原資を確保できるかが鍵となる。」として中小企業による価格転嫁を容認する文言も見られます。
賃金の上昇は今や官民ともにコンセンサスになりつつあります。これは中小企業とて例外ではありません。このことは、つまり、春闘で賃上げが行われマイナス金利解除に繋がるということです。
明日から日銀の金融政策決定会合が開かれますが、火曜日の午後には総裁から何らかのメッセージが示されると思います。今回マイナス金利解除は見送られる公算が強いと思いますが、そこで「悪材料出尽くし」となる可能性が高いと見ています。
十年余疾風に耐え抜いて、鍛えられた勁草に春は近いと感じています。
長文で失礼しました。