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Abalance(株)【3856】の掲示板 2024/04/28〜2024/05/09

再エネで独走の中国に危機感…日欧など同志国で食い止めへ 日・EUハイレベル経済対話

5/2(木) 19:50配信

日本と欧州連合(EU)が、米国など他の同志国も巻き込み、戦略物資のサプライチェーン(供給網)構築を本格化する。想定するのは成長分野で攻勢を強める中国だ。特に今後も需要の増加が見込まれる太陽光パネルや風力発電の分野では高いシェアを誇っている。各国が脱炭素化を進めれば、その分だけ中国依存が高まり経済安全保障上のリスクとなるだけに、同志国が連携して脱中国依存を加速させる。

■中国政府が再エネに巨額補助金

「透明、強靱(きょうじん)で持続可能な供給網の構築のための政策協調に向けた議論を行う」。斎藤健経済産業相は4月26日の閣議後の記者会見で、5月2日の閣僚級による「日・EUハイレベル経済対話」への意気込みを語っていた。

念頭にあるのは中国だ。中国勢は政府の巨額の補助金によって再エネ関連製品の価格を低く抑え、世界市場を席巻しているとの指摘がある。このまま中国を伸長させてしまうと「再エネで中国依存が強まり、日本のエネルギー安全保障が脅かされかねない」(日本政府関係者)現実がある。

中でも太陽光パネルは中国が群を抜いている。国際エネルギー機関(IEA)によると、2022年の世界市場で中国のシェアは首位の77・8%。2位のベトナム(6・4%)以下を大きく引き離している。

パネルの主要素材ではさらに中国の一極集中が進む。IEAのデータでは、22年のシェアはポリシリコンが85%、ウエハーは97%と圧倒的だ。

日本国内でも中国製品は多く採用されており、再エネ普及や脱炭素に向けた補助金が日本企業の支援に回っていないとの批判も根強い。中国に過度に依存しない供給網の構築は急務といえる。

■風力も5割が中国メーカー

中国勢はこのほか、風力発電でも台頭が目覚ましい。国際団体の世界風力会議(GWEC)が公表した2022年の風車メーカーの世界ランキングによれば、上位15位に入った中国企業は10社で、シェアは計56・4%に達した。

中国製の風車は日本市場でも採用が広がりつつある。ある日本の電力会社の関係者は「中国勢が規模を生かして価格競争力を強めれば、中国製品がさらに日本に流入してくる可能性がある」と警鐘を鳴らす。四方を海に囲まれた日本では、風車を洋上に浮かべる「浮体式」の洋上風力も再エネ普及のカギとして期待が高まっている。
日本は中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」でも、電源構成のうち再エネの比率を2019年度の18%から、30年度に36~38%にまで引き上げるとしている。ただ、省資源国の日本がエネルギーを特定の国に依存するリスクは大きく、同志国との連携強化により中国依存度を低減させることが求められる。(中村智隆)