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清水建設(株)【1803】の掲示板 2022/08/21〜2023/08/15

現時点で日本一高いビル(330m)である、麻布台ヒルズのメインタワー。日本の建設技術の総合力をいかんなく発揮した、世界に誇るべきプロジェクトのひとつだと思います。

【日本一の超高層ビル「麻布台ヒルズ」建設で、清水建設がチャレンジした建設DXの足跡】 (2023年4月26日 BUILT配信記事より) 

2023年秋に開業する「麻布台ヒルズ」の建設プロジェクトで、清水建設は約330メートルのメインタワーを含む“A街区”を担当した。1日5000人を超える作業員が働く建設プロジェクトでは、清水建設の建設DXが余すところなく採り入れられたという。
 清水建設は、「第7回 ジャパンビルド-建築の先端技術展-」(会期:2022年12月5~7日、東京ビッグサイト)で、「日本一超高層現場におけるDXチャレンジ」と題して講演した。講演では同社が手掛ける「麻布台ヒルズ(虎ノ門・麻布台プロジェクト)」のA街区新築工事を例に、採用されたDXの試みや得られた課題、今後の挑戦などを紹介した。
 虎ノ門・麻布台プロジェクトは、「モダン・アーバン・ビレッジ」をコンセプトとした、国際都市の洗練さと小さな村のような親密さを兼ね備えた、世界に類のない全く新しい街を作るプロジェクトだ。
 計画では、全体で3つの超高層ビルを建設。清水建設は日本一の高さとなる約330メートルのメインタワーを含む、“A街区”を担当している。ビルの総延べ床面積は46万平方メートルで、鉄骨重量は13万トンにも及ぶ。建設時の最盛期には1日5000人を超える人員が動員された。
 工事を遅延なく進めるには、大量の資材と人員をそれぞれの作業場所に遅滞なく運び、作業に必要な情報を漏れなく共有する必要がある。講演で語られた清水建設が、虎ノ門・麻布台プロジェクトで挑んだ建設DXは、難題を乗り越えるためのチャレンジの足跡でもある。

 清水建設 東京支店 虎ノ門麻布台再開発A街区建設所 建設所長 井上愼介氏は、清水建設のDX戦略を「ものづくり(匠)の心を持った“デジタルゼネコン”」との言葉で表す。コンセプトには、創業者で宮大工・清水喜助の匠の心と、210年あまりに渡ってものづくりを提供してきた歴史を忘れずに、最先端の技術を活用してデジタル化を進める2つの価値観が表現されている。
 井上氏は、デジタルゼネコンを「リアルなものづくりの知恵と先端デジタル技術を活用して、ものづくりをデジタルで行い、リアル空間とデジタル空間を通して、デジタルサービスを提供するゼネコン」と説明する。清水建設では、DX戦略をものづくり以外の業務全てにも適用し、中期デジタル戦略の軸としている。

現場データの蓄積とAIを使った分析
 井上氏は、今回の高層ビル建設で清水建設が導入した数々の取り組みを紹介。その1つが、現場の事務所内に設けられる「スマートコントロールセンター(SCC)」と呼ばれる部屋だ。室内には、55インチの有機ELディスプレイを36枚設置し、現場のあらゆる情報を表示する。
 今回の現場では、300メートルを超えるビルを建設するタワークレーンからの映像を映し出した。クレーンに設置した監視カメラの映像をSCCで確認し、作業現場をリアルタイムで把握。クレーン以外でも、山留めの変異、振動・騒音、天気などをリアルタイムで確認するのにも有効だ。
 SCCに集まる情報は、デジタル化されている。今後は、情報を集約したビッグデータとしていかに活用していくかが課題になっている。
 タワークレーンに関しては、仮設エレベーターと連動している「楊重モニタリングシステム」も導入した。巨大な超高層ビルの建築では、作業者と資材をどう効率よく現場に運ぶかがポイントになる。「工事現場のロジスティクスが現場の命運を分けると言っても過言ではない」(井上氏)。
 楊重モニタリングシステムは、解析ソフト「Tableau(タブロー)」を用い、タワークレーンと仮設エレベーターでそれぞれ6台の稼働状況を監視している。仮設エレベーターでは当初、何の資材を上げ下げをしているかを人力で登録していたが、システムでは重さや階数を自動で読み取る。取得したデータは、クラウド上に蓄積し、AIでいろいろな切り口による分析を行っている。
(以下略)