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(株)FIXER【5129】の掲示板 2024/01/13〜2024/02/23

Chat(チャット)GPT」など複数の大規模言語モデル(LLM)を使い分けできるFIXERのプラットフォーム「GaiXer(ガイザー)」を活用する。まずは他の医療機関に引き継ぐための「診療情報提供書(紹介状)」と入院中の経過をまとめた「退院サマリー」の文書作成について実証する。

FIXERの生成AIサービス「ガイザー」
例えば、1000床クラスの病院では、年間4万5000枚もの書類を作成しており、1枚に1〜2時間かかることもあるという。診療に関する書類だけでも、入院診療計画書、治療説明同意文書、退院サマリー、診療情報提供書など多岐にわたり、医師らの負担となっている。

紹介状は、忙しい医師に対し、患者の病状などを簡潔に伝える必要があり、かつ文章のマナーも必要とされる。入退院を繰り返している患者は電子カルテも情報が多くなる。手作業だと転記ミスもでてくる。

ガイザーに電子カルテシステムから紹介状を書く患者の情報を読み込ませ、30秒ほどで紹介状の形式で文書が作成される。それを医師らが確認して手直しすれば5分程で紹介状の作成が完了できる見通しだ。

退院サマリーも診療報酬の加算のために必要な書類で、早期に作成することが病院の経営上必要となっている。ガイザーを活用し、作業時間の効率化を図る。

文書作成業務が大幅に短縮されることで、「医師や医師事務作業補助者の労働時間を増やすことなく、より県民のための質の高い医療の実現が期待される」(担当者)という。

FIXERは国立がん研究センターから、全国がん登録システムのクラウド化を担った実績があり、そのつながりで千葉県がんセンターの担当者と接点を持った。FIXERから生成AI活用の提案があり、文書作成業務の課題に関心の高いがんセンターの幹部も多く、共同で実証を進めることを決めた。

一般的にチャットGPTなどのLLMは使用時に入力したデータは生成AIの学習に使用するため取られてしまい、その上で他のユーザーへの返答などに使われてしまう特性がある。そのため患者の個人情報の扱いに注意が必要な医療機関などでは生成AIの活用が難しかった。

ガイザーでは、顧客専用の環境をクラウド上に作り、都度最新のLLMを借りてきて使用し、利用が終わればそのデータは毎回破棄している。そのため利用者からの情報がグローバルのLLMに送られることがなく、情報セキュリティーを気にする行政や金融機関でも導入事例がある。また、チャットGPT以外にも複数のLLMを利用でき、用途によって使い分けも可能だ。ガイザーの実験導入は医療機関、千葉県内で今回が初となる。

4月からは全国の医療機関に厚生労働省が残業規制を義務づける「勤務医の働き方改革」が始まる。がんセンターとFIXERは、紹介状や退院サマリー以外にも様々な医療関係の文書作成について、ガイザーを活用できないか検証を進めていく計画だ。