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(株)ispace【9348】の掲示板 2023/04/21

>>2956

「世界で初めて、営利企業として月面着陸することになる」

 ispaceが4月12日に開いた記者会見。袴田武史CEO(最高経営責任者)は、引き締まった表情に沸き立つ興奮を秘めてこう語った。月探査のミッション1と位置付けた計画で、地球からの打ち上げは米スペースXのロケットを活用した。ランダーと呼ぶ月着陸船は既に、月から高度約100キロの円軌道を回っている。最短で26日未明に着陸予定で、もし不具合が生じても予備の着陸地点と日程も用意してある。

 その熱気に対し、市場も期待を込めて反応した。上場初日は買い注文ばかりで売りが出ない「買い気配」のまま大引けを迎えるという人気ぶり。翌日やっと付いた初値は1株1000円で、IPOの公募価格(254円)と比べ3.9倍になった。さらに、上場3日目と4日目は連日で値幅制限いっぱいのストップ高となり、5日目となった18日の終値は2100円に跳ね上がっている。公募価格と比べて8.3倍、初値からは2.1倍というロケットスタートになった。

 投資家の買い材料となっているのは、ispaceが順調に月面への手順を踏んでいることだ。着陸までのプロセスは10段階に細分化しており、14日には8段階目が成功したと発表した。それまでは最大高度約6000キロの楕円軌道だったのが、60分の1の高度まで接近しての円軌道に入った。機体の制御システムについて、問題のない稼働を確認できている

これほど市場で買いを集めた状況を見ると、公募価格が低過ぎたのではないかという疑問も出てくる。上場直前に、企業の評価額が前回の資金調達時よりも下がる「ダウンラウンド」になっていた。

 IPOで会社が調達できる資金は上場直後の時価でなく、公募価格に基づく新株発行分だ。巨額資金が必要な月面輸送事業を考えると、もっと初値に近い価格で調達できていたらという心残りもある。こうした日本のIPO市場における「過少値付け」の問題は、これまでも指摘されてきた。例えば2022年に日本証券業協会が出した報告書には「かなりの数の企業において、公開価格が大幅に過少に値付けされていた」との記述がある。今回も慎重になり過ぎたのだろうか。

(株)ispace【9348】 「世界で初めて、営利企業として月面着陸することになる」   ispaceが4月12日に開いた記者会見。袴田武史CEO(最高経営責任者)は、引き締まった表情に沸き立つ興奮を秘めてこう語った。月探査のミッション1と位置付けた計画で、地球からの打ち上げは米スペースXのロケットを活用した。ランダーと呼ぶ月着陸船は既に、月から高度約100キロの円軌道を回っている。最短で26日未明に着陸予定で、もし不具合が生じても予備の着陸地点と日程も用意してある。   その熱気に対し、市場も期待を込めて反応した。上場初日は買い注文ばかりで売りが出ない「買い気配」のまま大引けを迎えるという人気ぶり。翌日やっと付いた初値は1株1000円で、IPOの公募価格(254円)と比べ3.9倍になった。さらに、上場3日目と4日目は連日で値幅制限いっぱいのストップ高となり、5日目となった18日の終値は2100円に跳ね上がっている。公募価格と比べて8.3倍、初値からは2.1倍というロケットスタートになった。   投資家の買い材料となっているのは、ispaceが順調に月面への手順を踏んでいることだ。着陸までのプロセスは10段階に細分化しており、14日には8段階目が成功したと発表した。それまでは最大高度約6000キロの楕円軌道だったのが、60分の1の高度まで接近しての円軌道に入った。機体の制御システムについて、問題のない稼働を確認できている  これほど市場で買いを集めた状況を見ると、公募価格が低過ぎたのではないかという疑問も出てくる。上場直前に、企業の評価額が前回の資金調達時よりも下がる「ダウンラウンド」になっていた。   IPOで会社が調達できる資金は上場直後の時価でなく、公募価格に基づく新株発行分だ。巨額資金が必要な月面輸送事業を考えると、もっと初値に近い価格で調達できていたらという心残りもある。こうした日本のIPO市場における「過少値付け」の問題は、これまでも指摘されてきた。例えば2022年に日本証券業協会が出した報告書には「かなりの数の企業において、公開価格が大幅に過少に値付けされていた」との記述がある。今回も慎重になり過ぎたのだろうか。