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(株)レオパレス21【8848】の掲示板 2022/05/21〜2022/06/03

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株王 強く買いたい 2022年5月27日 12:39

レオパレス21<8848.T> レオパレス21の業績と株価が”長いトンネル”を抜けた理由(下)
(中から続く)

■純利益を大きく押し上げた要因



3つ目の理由は、補修費用の見直しだ。2018年の施工不備の発覚後、レオパレスはアパート1棟のうち、1部屋でも不備が見つかれば、1棟すべての部屋に不備があるものとして補修費用を見積もった。2020年3月期末に計上した補修関連損失引当金は562億円にのぼる(軽微な不備への対応も含む)。



ところが、入居者の退去に伴って部屋ごとの調査が進むにつれ、問題のないことが判明した部屋も徐々に増えた。外注していた補修工事も社員が行うことになり、補修費用はそれほどかからないことがわかってきた。



竹倉経営企画部長は「当初、防火のために隙間を埋めるためのパテを壁一面に塗りたくるなど、過剰な工事を行っていた。2021年に入ってゼネコンから効率のいい工法を伝授されたこともあり、補修費用の抜本的な見直しを行った」と話す。



その結果、2021年3月期第4四半期には補修関連損失引当金153億円分の戻し入れが発生。2022年3月期には四半期ごとに戻し入れが続き、累計で119億円の特別利益を計上した。これが純利益を押し上げ、債務超過の解消につながった。



前期末時点では、改修が必要な戸数を残り3万8000戸と推定。補修関連損失引当金は180億円まで圧縮されている。



■債務超過解消の次に越えるべきハードル



今後のレオパレスにとって課題となるのは、前向きな収益力の向上だ。管理物件ではスマートロックを導入したり、部屋のネット回線を高速化したりして付加価値を上げ、家賃単価を高める取り組みを進めている。



ただ、不祥事発覚でアパート建築は止まっており、収益源である管理戸数は減少を続けている。2021年4月に57万5777戸だった管理戸数は、2022年3月には56万7314戸まで減った。



宮尾社長は東洋経済の取材に、「家主の考えを聞きながら、既存のレオパレスのアパートや他社物件の建て替えの中で、当社を選択してもらう」と話し、徐々に建築請負業務を再開していく考えも明かした。



経営危機のトンネルを抜け、“普通の会社”に変わろうとしているレオパレス。今後はコンプライアンス(法令順守)を徹底したうえで、中長期的視点での成長戦略が求められることになる。