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菊水化学工業(株)【7953】の掲示板 2015/04/29〜2015/10/12

 菊水化学工業は建物外壁の仕上げや補強に使う油性塗料を量産する新工場を愛知県内に建設する方針を固めた。投資額は10億〜15億円で、2016年秋にも生産を始める。2年前に油性塗料市場に参入したが、現在は外部に生産を委託している。耐久性が持ち味の油性塗料は寒冷地などで一定の需要があると判断し、自社生産に切り替える。

 新工場は名古屋市近郊に建設する予定。5カ所目の国内工場となる。溶解力の弱いシンナーを混ぜて使用する「弱溶剤形」と呼ぶ油性塗料を30種類前後量産する計画だ。生産を委託している協力企業から段階的に生産を新工場に移管する。将来的に水性塗料やセメント製品にも生産品目を拡大する。

 国内市場では施工が簡単で性能も上がってきた水性塗料が優勢だ。油性塗料は高価格帯のフッ素系やシリコン系から安価なアクリルやウレタン系まで種類が多いが、においがあり、廃棄処分などにも手間がかかる。ただフッ素系で15〜18年の耐久性を誇り、屋根など金属部分の補強、タイルの〓落防止用などに需要が見込めるという。

 同社は中国でも16年秋から油性塗料の生産を始める。大手建設会社グループの上海建材と組んで合弁会社を設立。新会社に9割を出資し、常熟(江蘇省)に新工場を建設する。

 結露防止や遮熱効果のある塗料のほか、乾式の塗装シートなどを量産する。中国の建築塗料は市場規模が約1・3兆円に達するとみて、今後は販路拡大を進める。

 菊水化学の油性塗料の売上高は年数億円とみられ、日中でほぼ同時に新工場を稼働するとともに新製品開発を積極化し、規模の拡大を目指す。

 同社は仕上げ材以外にも下地材やコンクリート製構造物の補修を手掛けている。油性塗料などを強化し、18年3月期を最終年度とする中期経営計画では売上高300億円(15年3月期は209億円)を目標に掲げている。