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FDK(株)【6955】の掲示板 2022/10/18〜2023/03/12

富士通、小売向け独ソフト開発企業買収 最大620億円
エレクトロニクス
日本経済新聞
2023年3月1日 17:30


富士通は1日、小売業向けのソフトウエアを開発する独GKソフトウエアを買収すると発表した。全株式を取得した場合の買収額は4億3200万ユーロ(約620億円)となる。富士通はデジタルトランスフォーメーション(DX)に投資を集中する戦略を掲げており、事業基盤が弱い海外市場を開拓する。

GKソフトウエアの創業者が保有する4割の株式を買い取った上で、近くTOB(株式公開買い付け)を実施する。買い付け価格は1株あたり190ユーロで、TOBの上乗せ幅(プレミアム)は2月末までの3カ月の株価の加重平均の34.7%とする。全体の55%以上の株式を買い集めることを目標とし7月までに終了する計画だ。

同社は欧州や米国で小売業向けPOS(販売時点情報管理)システムなどを手掛けている。独スポーツ用品大手のアディダスなどにサービスを提供している。フランクフルト証券取引所に上場し、2021年の売上高は1億3000万ユーロ。富士通は自社の小売業向けサービスをGKソフトウエアのサービスに集約することで、海外の顧客基盤を取り込む。

富士通が強みを持つ高性能コンピューターや需要予測などの人工知能(AI)を活用する。購買データを分析して食品廃棄を減らしたり、画像分析AIで顧客が手に取った商品を明らかにして店舗のディスプレーにその顧客にあった広告を表示したりするサービスを共同開発する計画だ。

富士通は同社が筆頭株主でハードウエアを中心とした事業を展開する新光電気工業、富士通ゼネラル、FDKの持ち株を売却する方針を掲げる。汎用サービスを多くの企業に提供するDX事業に軸足を移し、効率よく稼げる体制を構築することを目指している。

23年度以降の中期経営計画では海外事業を強化する方針を打ち出すが、海外事業は伸び悩む。23年3月期は、欧州事業の不振で業績見通しを下方修正した。磯部武司最高財務責任者(CFO)は「海外での事業基盤の弱さが露呈した」と説明している。今後も海外でのM&A(合併・買収)を模索し事業基盤を固める。