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ソニーグループ(株)【6758】の掲示板 〜2015/04/27

14年度は「構造改革をやり切る年。先送りはしない」(平井一夫社長兼CEO)と期初に宣言していたが、スマホなどのモバイル事業については、今後約2100人の人員削減を実施し、それに伴って14年度に約70億円、15年度に約230億円の構造改革費用を計上するという。やり切るはずだった改革が15年度も続くことになり、もはや発言と行動の整合性を取れなくなった。

 通期の連結営業利益見通しは、赤字から一転して200億円の黒字に上方修正──。会見では、好調な画像センサー事業などの利益上振れを受けて、スマホ以外で進む収益構造の改善を盛んにアピールしていたが、その姿にはどこかむなしさが漂う。

 15年度に“先送り”した、モバイルの230億円の構造改革費用を14年度中に計上していれば、通期の営業損益の見通しは、黒字にはならないからだ。

 構造改革の一部を先延ばしにして、14年度は連結で営業黒字の見通しとすることに、果たしてどれだけの意味があるのか。

 ソニーにしてみれば、「15年度に実施する構造改革の費用を、14年度中にわざわざ計上する必要はない」ということかもしれない。しかし、業績への負荷をいち早く軽減し、改革を迅速に進めるスピード感を重視していたのであれば、人員削減の大半は14年度中に終えてしかるべきもので、その時間は少なからずあったはずだ。

 これまで業績に“化粧”をするかのように、保有株や不動産の売却で必死に益出して、赤字を埋めてきたソニー。復活を望む多くの関係者は、小手先の営業黒字に本当に頬を緩めているのだろうか。

 (「週刊ダイヤモンド」編集部 中村正毅)

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