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ニデック(株)【6594】の掲示板 2022/06/15〜2022/06/22

「社長はまだ見習い。今一生懸命教えている」

 永守氏は京都市のホテルで開かれた総会で、同席した関潤社長(61)をこう評価した。

 関氏は、日産自動車の副最高執行責任者(副COO)を経て、2020年1月、永守氏に招かれる形で日本電産入りした。翌年6月には永守氏からCEOを継承し、22年3月期の業績は、過去最高を更新した。

 だが、関社長がCEOを兼務した21年6月に1万2000円を上回っていた株価は、世界的な半導体不足の影響などで、今年4月には8000円台に下落。永守氏が「耐えられない水準だ」といらだちを募らせ、関氏は就任1年足らずでCEOから「降格」された。

 ところが、永守氏のCEO再登板後も株価は8000円台にとどまっている。総会で永守氏は「世界の株価が下がっている。日本電産だけ上がることはない」と釈明する一方、「嫌だったら、買わなければいい。会場を出たら売ってくれ」と激高する一幕もあった。

方向性定まらず
 永守氏は、世界中で需要が拡大している電気自動車向け製品が伸びると強調し、「来年、再来年には大きな収益を上げる。株価は1万5000円、2万円になる」と自信を示した。

 それでも、市場が楽観的になれないのは、永守依存体制からのスムーズな脱却が図れるのか不透明なためだ。総会では、株主からも「後継者にどうイズムが浸透し、受け継がれているのか見えにくい」と疑問の声があがった。

 総会後の記者会見で永守氏は、関氏について「逃げない限りは後継者として育てる」と述べた。関氏も「永守イズムを定着させる」と、CEO復帰に意欲を示した。しかし、永守氏は「逃げたら、生え抜きの人材にCEOをわたす」とも言及するなど、後継者選びの方向性は定まらない。

 後継者に悩む「カリスマ経営者」は、日本電産にとどまらない。ソフトバンクグループの孫正義氏(64)は、グーグル幹部を後継含みで迎えたが、禅譲を撤回。ファーストリテイリングの柳井正氏(73)も一度、社長職を譲ったが再登板した。