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トーヨーカネツ(株)【6369】の掲示板 2015/04/28〜2019/06/13

アジアの空港 新増設
格安航空普及で旅客過密状態 28兆円投資、成長基盤に


アジア各国・地域で拠点空港の新設や増設の動きが広がっている。アジア太平洋地域で進行中の空港工事への投資額は2268億ドル(約28兆円)に上る。格安航空会社(LCC)の普及などを受け旅客が急増し、既存空港の受け入れ能力が限界に近づいているためだ。発着便の遅延が常態化するなど空港の混雑が経済成長の足かせとならないよう、各国当局や運営企業は滑走路の増設やターミナルの拡張を急ぐ。


 オーストラリアに拠点を置く航空関連のシンクタンク、アジア太平洋航空センター(CAPA)によると、計画を含めアジア太平洋の空港新設の投資額は912億ドル、既存空港の増設は1356億ドルに上り、合計で2268億ドルと世界全体の6069億ドルの37%に達した。地域別では世界最大で2位の北米(1077億ドル)の2倍強に上る。


 新増設が特に目立つのが中国だ。北京市は市南部で第2空港を建設中だ。総工費約840億元(約1兆6700億円)で、2019年の開業をめざす。CAPAによれば、中国は地方空港などに780億ドルを投じる計画もあり、14年末に202カ所だった同国の空港は20年に260カ所にまで増える。


 所得の増大で航空機利用者が増えたインドも同様だ。ムンバイ市を抱える州政府は同市郊外で新空港の建設に着手した。総工費は第1期工事だけで620億ルピー(約1200億円)に上る。シンガポールや香港、韓国・ソウルも空港新増設の動きを進める。アジアの乗り継ぎ拠点(ハブ)をめざすこれらの国・地域は設備を増強して乗り入れ便の誘致拡大を図る。


 空港新増設の動きが加速しているのは空港の旅客受け入れ能力が飽和状態にあるため。日本経済新聞が集計したアジア各国・地域の主要11空港の利用者は14年に5億6600万人に達し、当初想定した上限の97%に達した。北京、ソウル、インドネシア・ジャカルタ、タイ・バンコク、フィリピン・マニラの5空港は既に上限を超えている。


 国際航空運送協会(IATA)によると、アジア太平洋地域で14年に航空機を利用した旅客数は約11億人と、約5億人だった04年の2倍超だ。30年代半ばには29億人に達する見通し。経済成長に加えLCC台頭でビジネスなど利用者の裾野が広がった。