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JCRファーマ(株)【4552】の掲示板 2024/04/02〜2024/05/02

水を差すようで悪いのだが、「超絶IR」というのは何のことだろう?かつては、私もここで話題になるように、「超絶IR」というものを待ち焦がれていて、ここほどの研究開発能力のある会社なら、きっと近いうちにものすごいことを発表するのではないか、そのためには、あと10年くらい寝かせていてもよいかなと思ったいたりしたものだ。つい先日まで。

もうほぼはっきりしたのだが、ここが出す「超絶IR」っぽいものは、JBC技術導出によるロイヤリティー契約ばかりである。はっきり言って、この会社の切り札は、もう、JBCの技術導出しかないように見える。遺伝子治療薬に関しては武田との契約は解消されたし。これほどの大手との契約解消は余程のこと(武田がここを見切ったということ)であるのだが、このことに皆さまはお気づきなのだろうか???

ムコ多糖症の類の遺伝子疾患に関するパイプラインを10数本持ってはいるが、どれも似たり寄ったりの作用機序のものばかりであり、そういう意味ではどの治験もやがては成功する可能性は高いとは思う。ただし、対象患者数が希少疾病ゆえに少なすぎて、業績に多大な貢献をするものではない。

しかし、先日から話題になっているように、これらの遺伝子疾患に関する遺伝子治療法というものが確立されつつあり、実際に、リジェネがムコ多糖症2型に対する治験第1/2/3相を有意差ありで終了しており、同新薬については2025年には早期承認申請(承認されるかどうかはわからないが…)される予定になっている。

ロイヤリティー契約というのは、ある新薬候補の選考に当たるための研究段階にあるものに対するものが多いが、実際に新薬の開発、製造、発売に至るまでの長い、長ーい治験(早期承認制度では少なくとも2~3年、通常は最低5年、長い場合は、10年にも及ぶ)、承認、新薬販売に至るまでの達成マイルストーンフィーというものを段階的に得ることのできる契約である。

アンジェリーニファーマやアレクシオン社との契約などがそれにあたるが、いずれもマイルストーン達成フィーという数億から数十億程度のものが得られるのがやっとな軽微な(業績に多大な影響を与えない)ものばかりである。総計は600億とか何とかだが、それは、新薬として実際に薬が薬価収載され、売上を上げてからの話であって、実現されるのには、10年単位の歳月が必要だ。少なくとも、これから10年近くは「絵に描いた餅」である。しかも、新薬創生の難易度からいうと、「絵に描いた餅」のまま終わる可能性のほうが高い。当社の「超絶IR」の中身はこれほどのものにすぎない。

思えば、2012年にノーベル賞を受賞した京大山中教授の「IPS細胞」実用化のニュースとヘリコプターマネーバラマキ大金融緩和実験であった「アベノミクス」が同時並行的に表れ、そのたまの偶然により、当時バイオ関連の株価を大きく揺さぶった。2000年のITバブルと全く同じ様相だった。

ものすごい勢いで、バイオと名の付くものならば有象無象買われた「バイオバブル」が起こったが、わずか半年で終焉した。確かに、ちょっとしたIRネタが出るだけで、株価が異常に飛び跳ねた!その当時を忘れられない負け組が、今度こそ!と手ぐすね引いて参加し続けているのが現在の「バイオ株オタク」という残党だ。

ここはまだバイオというよりは製薬という会社なのでそれほど多くはないが、バイオ関連株の掲示板には、同じHNの人々の投稿であふれている。

そして、皆が切望する「超絶IR」! 期待されるのはわかるのだが、実際に出てきても、大きな業績に寄与するようなものに仕上がるのには、10年単位の辛抱が必要だ。それを耐えきれるのなら、「超絶IR」を待てばよいと思うが。しかし、「超絶IR」を期待する向きの本来の目的は、それがすぐに株価に反映して、株価が2倍3倍になったバイオバブル当時を回想しているのだろうが、もう、今はそういう時代ではない。セクターバブルの類はもう現れることはないだろう。現に、今はやりの半導体関連はバブル(PERが60~100倍以上が目安)になってはいない。

早く儲けたいなら、流れにつかなくてはならない。今やバリュー投資の時代に変わった。ウォーレンバフェットに回帰せよ。夢を見ている場合ではない。