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JCRファーマ(株)【4552】の掲示板 2024/04/02〜2024/05/02

長文失礼いたします。しかし、参考にはなる?と思うので、読み物としてご覧ください。

前からそうだが、株価というのは1~2年先の業績を織り込むようにできている。そう、たった1~2年先にすぎない。それより先はすべて妄想(唯一ITバブル時のソフトバンクの妄想だけは現実になった)によって支配され、とんでもない値をつけることがある一方、そんなものに限って何かの拍子で大暴落し、元の価格以下になる。

何故だかお分かりであろうか?

株価に実体(それに見合った業績)がないからである。つまり、その株価をつけた1~2年後にその株価に見合った業績を上げ続ける限り、株価は継続してそれなりのものをつけるが、あまりに遠い将来を見据えた業績の妄想は、何かの拍子でその妄想が剥落し、現実(一つも収益が上がっていない状況)を目の当たりにするにつけ、これにはあれほどの高い株価をつける価値がないというのが妄想家にでさえ浸透し、あっという間に皆が手を引くからである。価値(需要)のないものは誰も買わない。まさに需給の法則だ。

今や日経平均は過去最高40000円時代に突入した。日経平均PERはそれでもまだ17倍。今後、中国ロシアなど反米地帯からの資本撤退後の外資(現在は英国=オイルダラーが群を抜いている)がまだまだ我が国にやってきそうな気配もあり、まだしばらくは日経平均PER(そのもとになるEPS)の極端な変動(つまりは株価の暴落)はないと思われる。

まさに、昭和平成内需拡大資産バブル以降最高値更新なのにバブルではないといわれるゆえんである。

これまで形成されてきたバブルには一つの大きな特徴がある。それは、極端なPERの上昇である。平成昭和バブルではPER80倍、ITバブルではPER100倍を記録している。もし、令和バブルというものがあるとすれば、昭和平成バブル時のPERで例えると、40000×(80÷17)=188000円という途方もないものとなるだろう。

ただし、バブルというのはバブルが盛り上がっている最中に売り抜けられると途方もない富を得ることができる(コロナバブルでJCR3800円を売り抜けられた人)ので、それを皆は期待し、一時は3日天下、富を享受するが、そういうあぶく銭は結局暴落の波に飲まれて儲け以上の損(ロングあホルダー)をすることになる。それなのに、何度もあぶく銭を得たがる欲深い存在だ。だから、その妄想に取りつかれるとどんな忠告も耳に入らない。ここのホルダーもそうかな?

今、JCRの株価を支えているものは、主力商品のグロウジェクトとイズカーゴ、テムセル他、腎性薬数種類に、提携導出企業からの契約フィーだが、24期末予定では、医薬品7種での売り上げは370億円と契約金は80億、計450億円の売り上げで、純利益は73億、1株(発行株数約1.24億株)当たり純利益59円となっている。

以前試算したが、グロウジェクトが奪還したシェアを落とさない前提なら売り上げは今よりも最高100億ほどは増えるとして、医薬品部門の利益率は不明だが、概算105億(24.3期末経常利益)÷450億(24.3期末売り上げ)=約23%なので、経常は23億(売り上げ増見込み100億の23%)増えて123億、1株利益は100円(120億円÷1.3億株)ほどとなる。それでやっと、一流株の目安であるEPS100円に届く。来年度以降の研究開発費の増額があるので非常に甘い見通しの上でではあるが。

これは最善の試算であって、グロウジェクト次第では、現状よりも逆ザヤになる可能性もあり、その場合、さらなる一段安も覚悟する必要がある。

そして問題は、ここが持つパイプラインだ。ほぼすべてが遺伝子治療薬が最適な遺伝子病を対象としているので、万一、リジェネの遺伝子治療薬が来年(2025年)、予定通り米FDAに承認されれば、ほぼすべてのパイプラインがポシャルのだ。イズの売り上げにも大きく響くだろう。

そして、かの妄想である。

いろんな可能性を模索するうえで、各製薬会社への技術導出の提携IRからは、契約金云々があるが、目先の売り上げに当たる契約マイルフィーの額はたかが知れている。今期は新たな大きな提携が2つあったので80億ほど計上されはするが、今後しばらくは大口の提携IRが出ない限り、多くは期待できない。ましてや、まだ研究段階なので臨床試験含め新薬の実用化まで少なくとも8~10年ほどはかかりそうなので、ロイヤリティーフィーなど夢のまた夢だ。なので、ここにはコロナバブルのようなバブルはもうやっては来ることはないだろう。

最初に申した通り、株価が織り込むのはせいぜい2年先。夢のような妄想新薬(それもできるかどうか全く未知数のもの)が実現するにしても、さらに最短10年先である。10年先を織り込むにはまさに、バブルが必須要件だ。

今のところ、世の投資家たちは現実的な株価を追いかけるのに必死でバブルの夢を見ている場合ではない状況にある。だから、誰もここを追いかけては来ない。物色されることは今のところしばらくはないだろう。ただし、下げすぎだとは思うので、ある程度のリバウンドはあるかもしれない。リバウンドがあれば潔く撤退することをお勧めする。

まあ、何を言っても、「惚れてしまえば痘痕にエクボ」なのだが。