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扶桑薬品工業(株)【4538】の掲示板 2015/04/29〜2023/10/25

ヒトと同様に高齢化の進むイヌにおいても,腫瘍に罹患する割合は近年増加傾向にあり,その治療法の研究・開発はよりよい獣医療の提供のために急務となっています。特に,従来の治療法である外科療法・放射線療法・化学療法では対処しきれない難治性の悪性腫瘍に対しては,新たな治療戦略が望まれています。

PD-1は,免疫細胞であるT細胞上に発現する免疫抑制受容体であり,PD-L1に結合すると異物・病原体に対する攻撃性が低下します。腫瘍はPD-L1を発現することで免疫による攻撃を回避していることが,ヒトやマウスの研究で明らかとされています。逆にいえば,そのような腫瘍に対してはPD-1あるいはPD-L1の阻害剤(免疫チェックポイント阻害薬)を用いることで,抗腫瘍効果が期待されます(図1)。
イヌのがん治療に有効な免疫チェックポイント阻害薬(抗PD-L1抗体)の開発にはじめて成功―北海道大学動物医療センターにおける臨床研究成果―
北海道大学,東北大学及び扶桑薬品工業株式会社で構成する研究グループは,これまで免疫チェックポイント分子PD-1及びPD-L1を標的とした新規免疫療法の実用化に向け,イヌを対象とした臨床基礎研究を行ってきました。イヌにおいても,悪性黒色腫や血管肉腫,肥満細胞腫等を中心とした数々の悪性腫瘍においてPD-L1が高発現していること,またこれに対する抗PD-L1モノクローナル抗体*5を用いてその免疫抑制機序を遮断するとイヌ免疫担当細胞の機能を回復できることを明らかにしてきました。しかし,ラット由来であるこの抗体はイヌにとって異物であるため,薬としてイヌに投与することはできませんでした。

イヌの悪性黒色腫*2と未分化肉腫*3において,腫瘍上のPD-L1の発現を病理組織学的に確認。また,開発した抗体を悪性黒色腫と未分化肉腫に罹ったイヌに投与したところ,腫瘍の退縮を確認。
悪性黒色腫では,肺に転移した後の生存期間を延長する効果を示唆
https://www.amed.go.jp/news/release_20170825.html