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(株)アドウェイズ【2489】の掲示板 〜2015/04/08

 16日の東京株式市場では、上昇基調をたどっていたネット株やバイオ関連株が軒並み下げた。きっかけは米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長の米議会証言にあわせて提出された「金融政策リポート」の一文だ。小型の交流サイト(SNS)やバイオ関連企業の株価の割高感を指摘していた。影響は日本の関連銘柄にも波及し、無料通話アプリのLINEが東京証券取引所に上場を申請するという好材料があったにもかかわらず、関連するネット関連株が売られる展開となった。

 16日の日経平均株価は終日、方向感に乏しかったが、ネット関連株の一角だけは大商いだった。スマートフォン(スマホ)向けゲームを手がけるエイチームは、前日比5%安と急反落。LINEと仮想通貨の販売で代理店契約を結んでいるアドウェイズも8%安と急落した。全市場の売買代金ランキングでは、それぞれ5位と12位だった。また「スタンプ」と呼ばれる絵文字を提供するネオスは朝方は1割近く上昇する場面があったが、次第に上げ幅を縮小し、結局2%高で引けた。

 前日の取引時間中に報じられたLINE上場申請というまたとない好材料をかき消したのは、海の向こうのFRBだ。議会に出したリポートでは、「SNSやバイオ製薬セクターの小規模な企業は投資尺度といったバリュエーションが顕著に増幅しているようだ」と指摘した。この一文に反応して、米株式市場ではゲームやSNS関連など成長期待の高い「モメンタム株」が売られ、フェイスブックやネットフリックスが反落した。

 松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリストは「LINEの上場は以前から話題にのぼっていたのに対し、FRBによる株価の割高感の指摘は異例で、想定外だった」と指摘する。

 日本市場でモメンタム株を売ったのは、海外のヘッジファンドや国内証券の自己売買部門など短期筋が中心。アドウェイズは予想株価収益率(PER)が95倍、エイチームは74倍と投資指標がかなり高い水準にある。FRBのリポートを機に、こうした銘柄にいったん売りが出たようだ。

 気になるのは、この海外勢の売った株を個人投資家が拾っているとみられることだ。カブドットコム証券の荒木利夫執行役は、16日、同社を通じ、個人の一角が「エイチームやアドウェイズを買い越していた」と指摘。松井の窪田氏も「株価が下落したアドウェイズやエイチーム、ミクシィを拾う動きが目立った」と話している。

 個人の買い意欲が旺盛な背景には「今秋のLINE上場までに、関連株の売買が何度か盛り上がるに違いない」という読みがあるようだ。日米でモメンタム株の連動性が強まっているため、当面はFRBの警鐘でいったん調整するにしても「一時的なものにとどまる」(SBI証券の藤本誠之シニアマーケットアナリスト)との声が多い。16日は下げが目立ったバイオ関連株についても「秋の学会シーズンには、(投資材料となりそうな)バイオ関連企業の研究発表が増えそう」(国内証券)との声があった。

 それでもスマホ向けゲームのKLabは予想PERが100倍超、ミクシィは50倍前後とモメンタム株は投資指標で説明しにくい水準にあるのは確か。過熱感はじわじわと強まっており、市場では「企業のファンダメンタルズ(基礎的条件)より、値動き重視の投資家の影響力はなお強い」(SBIの藤本氏)と警戒する声も広がってきた。低温ながら株高という局面はいつまで続くのか。急落の痛手を負わないためにも、モメンタム株に投資する際は、FRBの警鐘を頭に入れた上で臨むのが賢明かもしれない。