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大東建託(株)【1878】の掲示板 2023/01/31〜2023/12/06

高額銘柄、5社に1社が株式分割 ファストリや信越化学、個人の投資先広く 新NISAも後押し 2023/06/13 日本経済新聞 朝刊

 投資に必要な金額が大きい高額株の株式分割が相次いでいる。東京証券取引所による2022年秋の最低投資金額の引き下げ要請を受け、この金額が50万円以上だった5社に1社が今後の計画を含め分割に動いたことが分かった。24年1月に始まる新たな少額投資非課税制度(NISA)もあり個人マネーの流入が見込まれるが、最低投資金額はなお欧米と格差が大きい。
 東証は22年10月、「5万円以上50万円未満」が望ましいとして最低投資金額の引き下げを要請した。同年9月下旬時点で最低投資金額が50万円以上だった上場企業は202社。日本経済新聞が今年5月末までの株式分割の開示を集計すると、そのうち29社が分割済みで、12社が今後予定する。
 カジュアル衣料品店「ユニクロ」を運営しているファーストリテイリングは、3月に1株を3株にした。分割は02年4月以来、約21年ぶり。東証の22年10月時点のまとめによると、ファストリの最低投資金額は約831万円と上場企業で最高だった。
 分割は投資を活発にする効果が期待できる。トヨタ自動車は3月末時点の株主数が98万9548人で、1年で17万人以上(22%)増えた。21年10月に1株を5株に分割。最低投資金額が20万円程度と大幅に下がり、個人投資家を取り込んだ。イオンなど最低投資金額が小さい企業は個人株主も多い傾向がみられる。
 4月1日に分割した32社(最低投資金額50万円未満の企業も含む)の平均売買高は、分割から直近までと分割前の3カ月を比べると29社で増え、売買高の増加率の単純平均値は3.8倍に伸びた。この間の東証プライム全体の増加率(3.6%増)に比べて大きい。東証プライムではファナック(4.6倍)、信越化学工業(4.4倍)の増加が目立った。
なお米の60倍
 新NISAも企業の株式分割を後押ししている。制度が恒久化するほか、非課税投資枠として「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を合わせ年最大360万円と投資枠が大きく増える。4月に27年ぶりに分割した信越化学は「新NISAの開始を踏まえ、個人投資家が投資しやすい環境を整える」という。
 もっとも最低投資金額は欧米となお大きな差がある。QUICK・ファクトセットなどのデータを集計すると、東証プライム上場全企業の中央値は6月5日時点で18万2450円。米国の主要銘柄(2834円)の60倍程度、欧州(1488円)の120倍程度だ。「GAFAM」と呼ばれる巨大テック5社でも2万円前後で株主になれる。
 株式分割した29社のうち、明治ホールディングスなど23社は最低投資金額が足元の株価で50万円未満(6月9日時点)になったが、50万円以上はなお6社ある。3月分割のファストリは350万円前後だ。
 株売買時の最低単位「1単元」を100株とする日本独特な「単元株制度」も個人から株式投資を遠ざける。日本は株主管理コストも重荷で、同費用は信託銀行に支払う株主管理費用や株主総会資料の印刷・郵送費などで、株主1人あたり年1000~2000円とされる。株主が増えればコストも膨らむため、企業も単元株の廃止には抵抗が強い。
 米国では1970年代から株券の電子化が進んできた。2009年から総会の委任状説明書や年次報告書などをインターネットで開示する仕組みを本格導入。「米国では早くから総会資料等の電子化が進んでいることで、株主管理コストが日本ほど問題視されていないと考えられる」と、ニッセイ基礎研究所の森下千鶴氏は指摘する。
 望ましい投資単位として5万円以上という下限の目安を設けているのは東証の事情もある。06年のライブドア事件で、極端な株式分割から最低投資金額を数百円に下げた同社株が東京地検特捜部の強制捜査を機に急落。小口売買急増で売買システムがダウンし、東証は全銘柄の売買停止に追い込まれた経緯がある。
NTTが一石
 そうした状況に一石を投じる動きもある。NTTは若者を取り込もうと1株を25株に分割する。同社の最低投資金額は約40万円で、高額株ではないが、7月1日の分割後は1万6000円台になる計算だ。松井証券の担当者は「NTTの分割公表後、約1カ月で100件近くの問い合わせがあった。個人投資家の関心は高い」と話す。
 日本でも3月から紙での送付が義務付けられていた総会資料の電子提供制度が始まった。デジタル化の進展でコストは減り、最低投資金額の引き下げへの障壁は低くなった。新NISAの後押しもあるなか「貯蓄から投資」の流れを加速するために、企業や東証は単元株制度の廃止も含め、新たな投資家を取り込む努力が求められる。
(大道鏡花、桝田大暉、村上徒紀郎)

大東建託(株)【1878】 高額銘柄、5社に1社が株式分割 ファストリや信越化学、個人の投資先広く 新NISAも後押し 2023/06/13  日本経済新聞 朝刊   投資に必要な金額が大きい高額株の株式分割が相次いでいる。東京証券取引所による2022年秋の最低投資金額の引き下げ要請を受け、この金額が50万円以上だった5社に1社が今後の計画を含め分割に動いたことが分かった。24年1月に始まる新たな少額投資非課税制度(NISA)もあり個人マネーの流入が見込まれるが、最低投資金額はなお欧米と格差が大きい。  東証は22年10月、「5万円以上50万円未満」が望ましいとして最低投資金額の引き下げを要請した。同年9月下旬時点で最低投資金額が50万円以上だった上場企業は202社。日本経済新聞が今年5月末までの株式分割の開示を集計すると、そのうち29社が分割済みで、12社が今後予定する。  カジュアル衣料品店「ユニクロ」を運営しているファーストリテイリングは、3月に1株を3株にした。分割は02年4月以来、約21年ぶり。東証の22年10月時点のまとめによると、ファストリの最低投資金額は約831万円と上場企業で最高だった。  分割は投資を活発にする効果が期待できる。トヨタ自動車は3月末時点の株主数が98万9548人で、1年で17万人以上(22%)増えた。21年10月に1株を5株に分割。最低投資金額が20万円程度と大幅に下がり、個人投資家を取り込んだ。イオンなど最低投資金額が小さい企業は個人株主も多い傾向がみられる。  4月1日に分割した32社(最低投資金額50万円未満の企業も含む)の平均売買高は、分割から直近までと分割前の3カ月を比べると29社で増え、売買高の増加率の単純平均値は3.8倍に伸びた。この間の東証プライム全体の増加率(3.6%増)に比べて大きい。東証プライムではファナック(4.6倍)、信越化学工業(4.4倍)の増加が目立った。 なお米の60倍  新NISAも企業の株式分割を後押ししている。制度が恒久化するほか、非課税投資枠として「つみたて投資枠」と「成長投資枠」を合わせ年最大360万円と投資枠が大きく増える。4月に27年ぶりに分割した信越化学は「新NISAの開始を踏まえ、個人投資家が投資しやすい環境を整える」という。  もっとも最低投資金額は欧米となお大きな差がある。QUICK・ファクトセットなどのデータを集計すると、東証プライム上場全企業の中央値は6月5日時点で18万2450円。米国の主要銘柄(2834円)の60倍程度、欧州(1488円)の120倍程度だ。「GAFAM」と呼ばれる巨大テック5社でも2万円前後で株主になれる。  株式分割した29社のうち、明治ホールディングスなど23社は最低投資金額が足元の株価で50万円未満(6月9日時点)になったが、50万円以上はなお6社ある。3月分割のファストリは350万円前後だ。  株売買時の最低単位「1単元」を100株とする日本独特な「単元株制度」も個人から株式投資を遠ざける。日本は株主管理コストも重荷で、同費用は信託銀行に支払う株主管理費用や株主総会資料の印刷・郵送費などで、株主1人あたり年1000~2000円とされる。株主が増えればコストも膨らむため、企業も単元株の廃止には抵抗が強い。  米国では1970年代から株券の電子化が進んできた。2009年から総会の委任状説明書や年次報告書などをインターネットで開示する仕組みを本格導入。「米国では早くから総会資料等の電子化が進んでいることで、株主管理コストが日本ほど問題視されていないと考えられる」と、ニッセイ基礎研究所の森下千鶴氏は指摘する。  望ましい投資単位として5万円以上という下限の目安を設けているのは東証の事情もある。06年のライブドア事件で、極端な株式分割から最低投資金額を数百円に下げた同社株が東京地検特捜部の強制捜査を機に急落。小口売買急増で売買システムがダウンし、東証は全銘柄の売買停止に追い込まれた経緯がある。 NTTが一石  そうした状況に一石を投じる動きもある。NTTは若者を取り込もうと1株を25株に分割する。同社の最低投資金額は約40万円で、高額株ではないが、7月1日の分割後は1万6000円台になる計算だ。松井証券の担当者は「NTTの分割公表後、約1カ月で100件近くの問い合わせがあった。個人投資家の関心は高い」と話す。  日本でも3月から紙での送付が義務付けられていた総会資料の電子提供制度が始まった。デジタル化の進展でコストは減り、最低投資金額の引き下げへの障壁は低くなった。新NISAの後押しもあるなか「貯蓄から投資」の流れを加速するために、企業や東証は単元株制度の廃止も含め、新たな投資家を取り込む努力が求められる。 (大道鏡花、桝田大暉、村上徒紀郎)