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共栄タンカー(株)【9130】の掲示板 2021/03/18〜2022/08/03

スコーピオ・タンカーズ社のバグビー社長の語る思い出

極めて主観的だが極めて正確な指標となる、希望の持てる話をしてあげよう。
2002年に当時社長をやっていた別の会社のため私は各社合同説明会に出た。
主催はゴールドマンで場所はフロリダのホテル。
極めて小さい部屋で説明をしたのだが、そこにいたのはゴールドマンの最も若い人5人の社員と、手配された3人の若い女性と、無料飲食のために入ってきたホテルの宿泊客だろう2人の老婦人と、隅にいた80歳近いじいさんだけ。つまり客は1人。
プレゼンをして質疑応答もなかったので休憩室に行った。
そこに行く途中で大きな石油会社などが説明しているのが見えて大盛況だった。
休憩室はプレゼン室よりも大きく誰もいなかった。そこで10分何もせずに座ってた。酷いもんだと思ったよ、ただ文章をあそこで読んだだけだからね。でも少なくとも今いるこの部屋は静かで知り合いはいないから気楽だ。
そうしてたら、さっきのじいさんが入ってきて私の前に座った。そしてこう言った。
「素晴らしいプレゼンでした。」
煩わしかったが適当に相手をする。これが良かったあれが良かったと言われる。
「いま私はあなたの会社の株を買っています。これからできるだけ買うつもりです。なぜそうするのか知りたいかい?」
「いいえ」と言いたかったが聞いてみる。
「部屋が空だったからですよ。だれもあなたの株に興味がなかった。」
その時はその事に何も思わなかった。

2007年11月。株価は15倍になっていた。この時もゴールドマン主催のカンファレンスに出席していた。部屋には670人もの客が入っている。
プレゼンで「スエズマックスの運賃は75になるだろう」と言うと
「保守的過ぎる。150にいくよ。」などとあれこれくだらないやり取りをする。
疲れたので脇で休憩していると、肩を叩かれた。

振り向いたらあのじいいさんだった。84歳程度かな。以前より体も小さくなり杖もついていた。
「私のことを覚えていますか?」
「はい。」
「私はもう去らないといけません。潮時だ。」
そうして彼は部屋から歩いて出ていった。

今はカンファレンスに出てくる人も減った。過去の歴史で最低レベルだ。
我々を敵のように憎むアナリストすらいない。憎むことすらやめてるんだ。