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(株)日本取引所グループ【8697】の掲示板 2024/02/10〜2024/04/20

日経電子版より

PBR1倍割れ 再任反対

国内運用会社が投資先企業に株価を意識した経営を要請する。三菱UFJアセットマネジメントは、ROE(自己資本利益率)が過去3期連続で8%を下回りPBR(株価純資産倍率)が1倍未満の企業に対し、株主総会で社長などの代表取締役の再任に反対する。公募投信で約90兆円の国内株を組み込む運用会社で議決権行使を厳しくする動きが広がれば、上場企業の経営改革が一段と進む可能性がある。

運用会社は投資家の資金を国内株などで運用し、投資先企業の企業価値向上を目的として投資家にかわって議決権を行使する。これまでは社外取締役比率の引き上げやESG(環境・社会・企業統治)対応などを上場企業に求めてきた。

政府は資産運用立国を掲げ、家計に眠る預貯金を企業への株式投資に回し、稼ぐ力を高めた企業が投資家に還元する「インベストメントチェーン(投資の連鎖)」をつくりたい考えだ。投資の連鎖を太くするには、議決権行使による経営改革の後押しが一段と重要になる。

三菱UFJアセットは2027年4月から、過去3期連続でROEが8%未満でかつPBRが1倍を割る企業の代表取締役再任に反対する。現行基準はROE5%未満としている。三菱UFJアセットはインデックスファンドなどを通してほぼ全ての上場銘柄に投資しており、まずは東証株価指数(TOPIX)500採用銘柄を対象とする。対象は順次拡大する方針だ。

27年4月まで猶予期間を設け、新基準の適用前から投資先との対話を実施し対応を促す。時価総額や業界への影響力が大きい企業について、東京証券取引所が要請する「資本コストや株価を意識した経営」に関する取り組みを確認できなかった場合は、27年4月以前に議決権を行使することもある。

ニッセイアセットマネジメントもPBRに関する基準を新設した。PBRが1倍未満で、東証の資本コストや株価を意識した経営の実現への対応がない場合に代表取締役選任に反対する。25年3月以降の決算期末で各社の取り組みを確認し、25年6月の株主総会から適用する。プライム上場企業の約4分の1が対象になると見られる。

政策保有株比率の基準を厳格化する動きもある。三菱UFJアセットは、政策保有株の純資産に占める割合が20%以上(みなし保有含む)の場合に代表取締役の選任に反対する。アセットマネジメントOneは「(政策保有株が)純資産比率20%以上(金融セクターについては40%以上)を占める」場合に代表取締役の選任に反対する。


運用会社が議決権行使基準を厳しくする背景には、東証による市場改革がある。東証は23年3月、プライムとスタンダードの2市場の上場企業に対して株価水準の引き上げに向けた具体策の開示・実行を要請した。運用各社は従前から投資先の経営改革を促してきたが、東証の市場改革を機に取り組みを加速させる。

三菱UFJアセットの白須賀啓介サステナブル投資推進部次長は「機関投資家として株価を意識した経営の浸透を促したい」と話す。実質最上位のプライム市場では、具体策を開示した企業数は726社と全体の4割強にとどまる。三菱UFJアセットは対話や議決権行使を通して、企業の変革を後押しする狙いだ。

議決権行使基準の厳格化と同時に重要なのが投資先への対話だ。議決権行使は「あくまで最終手段」(大手運用会社幹部)で、各社の担当者は「議決権行使の前に継続的に対話を実施するのが大前提」と口をそろえる。

信託銀行も機関投資家として対話を強化する。三菱UFJ信託銀行は独自モデルを活用して投資家側から見た資本コストを算出し、企業側が認識する資本コストとのズレを可視化する。資本コストの押し下げ要因を分析し、企業が取り組むべき経営課題を特定する。同社の担当者は「企業価値を高めるには、議決権行使と対話に同時に取り組む必要がある」と話す。

政府が資産運用立国を国策として推進するなか、各社は運用力の向上による投資リターンの拡大に力を入れている。運用各社の努力に加えて、運用リターンの最大化には企業価値そのものの向上が不可欠だ。運用各社が対話や議決権行使を効果的に実施し、日本企業の価値を高められるかに注目が集まっている。

(日高大)

PBR1倍解消がどんどん進む→自社株買い等で出来高増が続く→JPXの収益増→増配、分割、自社株
出来高も連日5兆円越えで収益も大幅増が想定されるのに
なんで売られるの?