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清水建設(株)【1803】の掲示板 2022/08/21〜2023/08/15

木材と鋼材を組み合わせた木鋼ハイブリッド構造の耐火性能を向上させるために、木部への熱伝達を防ぐ技術の開発。ビル建設等における木材利用促進を通じて、脱炭素社会の実現に向けた取り組みにも寄与することを期待します。

【清水建設/耐火ウッド張弦梁開発、国内初の木鋼ハイブリッド構造】  (2022年9月13日 日刊建設工業新聞配信記事より)

清水建設が長スパンの屋根架構を実現する木質耐火張弦梁を開発した。芯材と燃え止まり層で構成する木質耐火構造部材「スリム耐火ウッド」(1時間耐火認定)を上弦材とし、下弦材に鋼材を組み合わせた国内初の構造になる。木と鋼材の接点に注入するモルタルが火災時に高温となる鋼材の熱を吸収。木部に熱を伝達させない耐火性能に優れた接合方法を生み出した。
開発した「スリム耐火ウッド張弦梁」は同社が進める「東京木工場建替プロジェクト」(東京都江東区)のうち、耐火構造となる工場棟の3階屋根梁(スパン16メートル)に適用する。木鋼ハイブリッド構造で規模は3階建て延べ3555平方メートル。
張弦梁は圧縮力に優れたスリム耐火ウッドを上弦梁、引張力に強い鋼材(耐火塗料を塗布した束材、ロッド材)を下弦材に使い耐火木造のロングスパン架構を実現する。最も注力したのが上弦梁と下弦材の取り合い部、柱接合部の耐火性能の確保だ。課題解決に向け試行錯誤を重ね、火災時に鋼材の温度上昇を内部に伝えない接合方法を開発した。
梁中央2カ所の接合部には、ねじ形状鋼材を内蔵したモルタル円柱(内径110ミリ)をスリム耐火ウッド芯材に挿入。火災時にモルタルに含まれる水分が鋼材の熱を吸収する仕組みとした。両サイドの接合部や柱との接合部も同様にモルタルを充填(じゅうてん)し、鋼材からの入熱を防ぐ。
接合部の取り合いが木材と鋼材だけの簡素化された納まりとなり意匠的に優れる。内蔵されたねじ形状鋼材に束材、ロッド材を差し込む簡単な構造のため施工性も向上する。