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日本市場 全般の掲示板

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当社が投資の勧誘を目的としているものではありません。

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    okabe 6月2日 16:42

    米連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を長期間据え置く方針を固めており、
    多くの投資家は当面ドルを選好するとみられる。

    次回6月11-12日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)では現行の政策金利を維持する公算。9月以降に年内2回の利下げという市場シナリオは後退しており、ドル高に振れやすい相場展開が見込まれる。

    日本銀行が6月の国債買い入れ予定額を5月と同額としたことも意識されそうだ。

  • 日本に関しては、通貨も含めたトリプル安の様相を呈している。
    ドル・円は日銀の介入後も底堅い動きを示し、1ドル=150円台後半が定着。
    こうした状況は国内長期金利の上昇とは相反する。

    為替市場は、日銀の金融政策の早期正常化に懐疑的なようだ。

    為替と債券の不整合が今後解消するとして、どちらに寄せられるかが今後の日本株の行方を占う上で重要なポイントになる。

    為替の見方が正しく、日本の長期金利の水準がピークアウトするのであれば、
    株式市場には追い風だろう(逆の展開の場合は暴落も視野に入る)。

    6月13、14日には日銀の金融政策決定会合が行われる。

    内田副総裁は直近27日の講演で「デフレとゼロ金利制約との闘いの終えんは視野に入った」と語った。

    追加利上げへ向けた地ならしととらえることもできそうだが、
    一方では「当面緩和的な金融環境が続く」とした3月会合後の植田総裁の発言も生きていると思われる。

    このため、6月会合で日銀が追加利上げに踏み切る可能性が極めて高いとは言えず、無風ならば株価の押し上げ要素になりそうだ。

    また、米国では11、12日にFOMC(米連邦公開市場委員会)がある。
    さらに、12日に米6月CPI(消費者物価指数)の発表が予定される。
    前月比で総合 プラス0.1%、コア プラス0.3%の市場予想を上回らなければ、米金利の低下も見込まれる。

  • 日本の銀行にも同様の「危機のメカニズム」が埋め込まれているというから、話はおだやかではない。

    「預証率」が4割超え
    「預証率」は金融機関の預金残高に対する国債、地方債、社債、株式、その他の証券を合計した有価証券残高の比率で、資金の運用状況を示す。この預証率が22年3月期時点で30%を超えている地方銀行が15行もある。山梨中央銀行山形銀行は、ともに預証率が40%を超えているのだ。(表1)


    また、メガバンク等の預証率でも、三菱UFJ銀行とみずほ銀行がともに33%を超えている。(表2)


    つまり、これらの銀行では、本業としては融資に運用すべき預金で集めた資金のうち、3割以上が有価証券で運用されているという構造になっている。

    経営破綻したシリコンバレー銀行には及ばないものの、相当に高い比率だ。国内の銀行は、日銀の大規模金融緩和によって市場金利が抑え込まれているため、米国債を中心に外国債券を購入して資金運用を進めてきた。

    銀行の不良債権が増大
    こうした企業に限らず、日銀が利上げに踏み切れば、これまで低金利で融資を受けていた企業の多くに金利負担が重くのしかかって企業業績を圧迫することになり、新たな過剰債務に陥る中小企業を生み出すことになるだろう。

    それは、ゼロゼロ融資と相まって、銀行の不良債権を増大させることになる。

    日銀が利上げに踏み切れば、保有有価証券の価格下落による損失拡大と、不良債権の増大により、経営危機に陥る銀行が出てくる可能性があるのだ。

  • 日本のバブル崩壊では、土地や株などの資産価格が暴落した。銀行は不動産などを担保に融資をおこなうが、担保価値が下がることで金融機関の融資もまた停滞する。これが不況を招き、さらに資産価値が下落するという負のスパイラルが不況を長期化させる。

    これを精密に分析して解明したのが「清滝・ムーアモデル」で、「失われた20年」とか「失われた30年」と言われる日本の長期停滞を言い当てた。

    日本停滞の根本原因を知り尽くす清滝教授だけに、経済財政諮問会議で次のような苦言も呈している。

  • 2024年5月30日 10時38分

    30日の債券市場では、長期金利の代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りが1.1%をつけ、2011年7月以来の水準まで上昇しました。

    国債は、価格が下がると金利が上昇するという関係にあります。

    30日の債券市場では、日本国債を売る動きが強まり、午前の取り引きで、長期金利の代表的な指標となっている10年ものの国債の利回りが一時、1.1%まで上昇しました。

    これは、2011年7月以来およそ12年10か月ぶりの高い水準です。

  • 日本では、保守勢力の頭目ともいうべき立場にあった故・安倍晋三自らが首相在任中に積極財政派の代表的論者である高橋洋一・嘉悦大教授や藤井聡・京都大教授を、内閣参事官や内閣官房参与に任命するなどし、積極財政的なアプローチを採用した。

     その後の新型コロナ禍で大規模な政策対応を余儀なくされたこともあり、財政赤字を度外視するかのような歳出拡大は現在に至るまで続いている。これに対し、さすがに野党は歳出拡大に反対こそしないが、朝日新聞などリベラル色の強いメディアは、財政規律の堅持を求める立場から社説などで反対してきた。

    現代貨幣理論(MMT)の登場
    Photo by gettyimages

     少なくとも過去には欧米でも同様のねじれが見られ、クリントン大統領が率いた米民主党政権は財政再建を進めて財政黒字を達成したし、英国のブレア、ブラウン両首相の下での労働党政権も同様に財政規律を重視し、緊縮財政を敷いた。

     昨今でこそ、米民主党のバイデン政権は新型コロナ禍を受けて大規模な財政出動にかじを切り、ブラウン政権(2007~2010年)以来となる政権与党返り咲きの可能性が高まっている英労働党も大きな政府路線に回帰しているが、両党とも左派的なアイデンティティーを離れ、新自由主義的な財政健全化路線に走ったことが支持率下落につながったとの指摘がある。

     こうした財政再建派と積極財政派の対立をよそに、まったく新しい理論として近年存在感を増してきたのが、現代貨幣理論(MMT)だ。

     MMTは1990年代半ばにオーストラリア・ニューカッスル大のウィリアム・ミッチェルが初めて提唱し、その後、アメリカでL・ランダル・レイ、ステファニー・ケルトンといった学者の支持を得て日本でも2010年代末から急速に注目を集めた。もっと財政支出を増やすべきだという結論においては積極財政派と重なる部分も多いのだが、その結論に至るまでの筋道が大きく異なる。

  • アングル:長期金利1%、行き過ぎか通過点か 日銀のQT警戒続く
    By 植竹知子
    2024年5月23日


    [東京 23日 ロイター] - 日本国債市場では日銀の金融政策正常化に向けたタカ派トーンをにらみ、長期金利の指標となる新発10年債利回りが11年ぶりに1%の大台に乗せた。

    内外の投資家が国債売りのポジションを取る動きを進めてきたためだが、
    ここからの展開を巡っては見方が割れている。

    もっとも、日銀の国債買い入れ減額による量的引き締め(QT)を巡る不透明感がぬぐえない中、6月の金融政策決定会合までは1%近辺で高止まりすると見込む向きが多い。

    投資家向けコンファレンスのため来日した米モルガン・スタンレー

    過去に外国人による円債ショートのトレードが人気だった時と違って、今回は海外勢と日本勢のビューが一致しているのが特徴で、経験上極めて珍しいことだと指摘した。

    実際、国内運用会社からも「金利上昇を見込んだポジションをとっている」(債券ファンドマネージャー)との声が聞かれる。

    <長期金利1%の評価>
    三井住友トラスト・アセットマネジメント
    「フェアバリューからは行き過ぎ」との見方を示す。昨年10月に米10年金利が5%をつけた時の日本の10年金利は0.9%台後半だったと振り返る。

    モルガン・スタンレーMUFG証券は

    「6月の決定会合までは長期金利に上昇圧力がかかりやすいが、会合で買い入れ減額の方針が明らかになれば、(不透明感が払しょくされ)投資家の買いも戻ってくるのではないか」と述べ、10年金利は年末時点で1%、25年6月末は1.1%と予想。ここからの上昇余地は極めて限定的とみている。

    <26年末に2%への上昇予想も>
    一方、米ゴールドマン・サックスは17日、日銀が持続的な利上げサイクルに入ったとして10年金利は年末に1.25%、25年末に1.8%、26年末には2%へと緩やかな上昇基調をたどると見込んでおり、1%は通過点とみている。

    三井住友TAM
    「日銀が6月の会合でたとえ買い入れの減額を決めたとしても、今広がっている減額を巡る不透明感さえクリアになれば、割安さに着目した買いもそれなりに入る」として、10年金利は0.9%を下回る水準まで低下すると予想した。

  • オルタナティブ・クレジット
    オルタナティブ・クレジット投資とは、公募市場にアクセスできない企業や、標準的ではないカスタマイズされた融資条件を必要とする企業に対する流動性の低い資金提供です。オルタナティブ・クレジット投資に含まれる融資の種類には、直接融資、メザニンファイナンス、ディストレスト債務、スペシャリティ・ファイナンスなどがあります。

  • 農林中金の市場運用資産残高は、3月末時点で56兆円に上る。資産別では債券が56%と最も多く、次いでクレジットが42%、株式が2%となっている。

      有価証券評価損(単体ベース)は3月末時点で1兆7698億円と、23年12月末の1兆3207億円から悪化。そのうち債券評価損が2兆1923億円(12月末は1兆9110億円)に膨らんだ。株式運用比率が極端に低いことで株高の恩恵が最大限受けられなかった一方、米国の金利高を背景とした米国債での損失が響いた形だ。

  • [東京 22日 ロイター] - 東京円債市場で22日、新発10年国債利回り(長期金利)が1.00%に上昇し、2013年5月以来の高水準を付けた。

    SBI証券のチーフ債券ストラテジスト、道家映二氏は、

    円安の流れの中で基調的な物価上昇率が上振れるリスクがでてくれば、

    日銀は利上げで対応するとみており、
    「6月もしくは7月の追加利上げが現実味を帯びれば、
    市場は年内2回の利上げを織り込みにいく」とみる。

    アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎債券ストラテジスト
    日銀は2026年度までの見通し期間の後半にかけて、
    長期金利の1%はあくまでも通過点に過ぎないだろう。

  • ・OECD=経済協力開発機構 の 忠告:

    「 日本経済 で 優先すべきことは、中期的な 財政の 立て直し
      であり、国債等 の 公的 債務残高 を 引き下げるべきことだ。」..
    日本政府 債務残高 の 現状 :

    国債と 借入金、それに 政府 短期証券 をあわせた 政府の債務 は、
    2023年3月末の時点で 1,270兆円 (対GDP 比率 260% 世界1位)
    7年連続で 過去最大 を 更新中 です。

    異次元緩和 を始めて以来、累積 国債購入額 は 、
    963兆円。保有国債の 残存期間は 大幅に伸びてます。
    国債 利払い の 金利 が 上がれば 上がる程、
    日本の 財政は、 火の車 になります。


  • 2024年5月21日

    鈴木俊一財務相は21日の閣議後会見で、長期金利が1%に迫る11年ぶりの高水準に上昇したことに関して、政府としては「まず市場環境を注視し、市場との丁寧な対話が重要」とし、国債の安定消化へ適切な国債管理政策の実施に努めていく考えを示した。

    金利上昇の影響について、「家計の金利収入の増加、住宅ローンや企業借り入れなどの支払利子の増加、銀行や企業が保有する債券評価の変動、政府の利払い費の増加により他の歳出予算を圧迫する恐れなどさまざま考えられる」
    「マクロ経済財政運営や国債の安定消化などの観点から、その背景となっている要因を含めて注視しながら、必要な対応を取っていきたい」

    20日の日本市場では長期金利の指標となる新発10年国債利回りが0.975%に上昇。13年5月以来の水準に達した。21日には0.980%に上昇している。市場では日銀による国債買い入れオペの減額や早期の追加利上げへの警戒感から金利先高観が根強い。

    経団連が20日公表した大手企業の2024年春闘賃上げ率の第1回集計は5.58%と、最終集計結果との比較で1991年(5.6%)以来の高水準となった。

      鈴木財務相は、「かつてない水準の賃上げが行われた」と評価した。その上で、政府を挙げて物価上昇を上回る賃上げの実現を目指す中、長年染みついたデフレマインドを払しょくするきっかけ作りが重要と指摘。春闘結果が賃金に反映され始める時期に合わせ6月から実施される定額減税は「デフレマインドの払しょくにつながり、経済の新たな局面への動きを支えていくことにつながる」との認識を示した。

      一方、円安が輸入物価を押し上げて、「物価が高止まりするようなことがあれば、せっかく賃金が上がっても目標に達することは困難を伴う」とも指摘。今の段階では、円安の「マイナス面が懸念されるという認識には変わりはない」と語った。為替相場は安定的に推移することが望ましく、「市場の動向をしっかり見て、必要に応じて適切な対応をとっていきたい」と従来の姿勢を繰り返した。

  • 田巻一彦
    2024年5月17日

    [東京 16日 ロイター] - 4月米消費者物価指数(CPI)が小幅に鈍化し、米国が年内に2回利下げするとの観測が市場で盛り返してきている。ただ、詳細にデータをみると、米インフレの粘着性は継続しており、市場が織り込む2025年の3回の利下げには暗雲が漂う。日米金利差に敏感なドル/円は、150円台での滞空時間が長期化するのではないだろうか。

    23年の平均レート140.56円から10円超の円安が前提となる日本経済に何が起きるのか。輸出系企業を中心とした増益を追い風にした株高と、円安起点の物価上昇率の加速が並立する展開が予想される。国内総生産(GDP)の5割強を占める個人消費は、物価上昇によるマイナス効果と賃上げ・定額減税によるプラス効果の綱引きによって決まりそうだ。

    <来年3回の米利下げ、視界不良>
    15日の米株と16日の日本株がともに上昇した大きな要因は、米連邦準備理事会(FRB)が年内に2回利下げする可能性があるとの思惑が再び大きく広がったことだ。4月のCPI上昇率は前年同月比で3.4%と、3月の3.5%から鈍化。前月比の伸びも0.3%と、2月および3月の0.4%から鈍化したことが材料視された。

    また、15日発表の4月米小売売上高(季節調整済み)が予想外に横ばいとなり、米金利が低下したことも米株の上昇につながった。

    ただ、4月CPIのデータを詳細に見ると、このままFRBの目標である2%へ向けて上昇率が低下していくとみるのは楽観的に過ぎるようだ。家賃を含む住居費が3カ月連続で0.4%上昇し、ガソリン価格の伸び幅は3月の1.7%から2.8%に拡大した。また、CPIの3カ月前比・年率は4.1%と高止まっており、粘着性の強さを示している。

    こうした点を踏まえると、パウエルFRB議長の主導の下で9月と12月に2回の利下げを行ったとしても、足元で市場が織り込んでいる25年中にさらに3回の利下げは、前途の視界が不良ではないかと指摘したい。

    米インフレの粘着性の強さがこれから一段と市場に織り込まれていけば、日米金利差の動向に敏感になっているドル/円は、150円を割り込まずに150円台のレンジの中で推移する期間が長期化する可能性が高まっていると筆者はみる。

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    <昨年より10円円安、日本経済に起きる変化>
    2023年1月から12月のドル/円の平均レートは140.58円だった。もし、筆者の予想が的中して今年夏場から後半にかけて150円台での推移が続いた場合、昨年比で10円超の円安が日本経済の先行きを展望する上での前提となる。
    10円超の円安で発生する日本経済の変化は何か。1つは輸出系企業を中心にした業績の上振れであり、輸出系企業の比重が大きい日経平均(.N225), opens new tabは円安の恩恵を受けて上昇が予想される。
    一方、円安を起点にした日本のCPI上昇率の加速が予想される。足元で一服してきた輸入物価の上昇が再び活発化し、そこに賃上げを背景にしたサービス価格の上昇も予想され、日銀の想定を超えて物価が上がる可能性が高まるだろう。
    株高と物価高が並立しながら展開する日本経済は、果たしてプラス成長を果たすことができるのか、という点に今後の焦点が当たるだろう。その鍵を握るのは個人消費になるのではないか。
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    5%台の賃上げと6月実施予定の1人当たり4万円の定額減税の効果で、個人消費が持ち上がるのは間違いないだろう。他方、物価上昇が日用品を中心にしたモノの購入を抑え、節約する心理が消費を低迷させる要因にもなる。この2つのプラスとマイナスの効果のどちらが大きいかで個人消費の着地が決まることになる。
    筆者はプラス効果が大きいと予想するが、もし、日銀もプラス効果が大きいとこの先で判断すれば、9日に送信したコラム「日銀、次の利上げへ地ならしか 急速な円安が背中押す」 もっと見る でも指摘したように、利上げの検討に着手することになるだろう。
    日本の当局によるドル売り・円買い介入の実施でも140円台へのドル押し下げは難しい状況だけに、今後のマーケットは150円台を前提にした日本経済の動向を織り込んでいくことになると予想する。

  • 農林中金、1.2兆円増資検討 外債運用で含み損拡大
    5/19(日)

    時事通信
    農林中央金庫が1兆2000億円規模の資本増強を検討していることが19日、
    分かった。

    米国などで金利が高止まりしており、
    外国債券の運用で含み損が拡大。損失処理に伴い、
    2025年3月期には連結純損益が5000億円程度の赤字に転落する見通しで、資本増強が必要と判断した。

  • 歴史的に日銀が金融緩和に踏み込んできたのは円高・株安が進んでいる局面であり、それは米国が利下げ局面にあることが多かった。こうした状況は、あたかも日銀の金融政策が米金利(FRBの金融政策)を念頭に置いた通貨政策と化しているような状況であった。

    現在に目を移せば、円高防止ではなく円安防止を念頭に置いて通貨政策化が進むような構図にある。

     2008年かから2012年にかけて白川体制の日銀は「為替との戦い」と苦心惨憺(くしんさんたん)したが、2013年以降は同様の場面を経験することなく時が経過してきた。

     しかし、ここにきて日銀の「為替との戦い」は再び注目されつつある。

     財政ファイナンスのテーマ化が最悪のシナリオ

    5月7日の岸田首相との会談後、植田総裁は「今後、基調的物価情勢にどういう影響があるかみていく」と述べていた。その事実と今回の買いオペ減額決定を合わせ見れば、必然的に6月14日会合での再利上げ期待はどうしても高まる。

     仮に6月の追加利上げがなかったとしても、円安容認と受け止められた4月と同じ轍は踏まないように植田総裁は円安けん制を意図したタカ派色の強い会見を心がけるだろう。とはいえ、「会見はタカ派、運営はハト派」は通らない。6月を現状維持で乗り切っても7月の展望レポート会合ではまた投機の円売りが引き締めを催促するはずだ。

    今後は漸次的に利上げが重ねられる可能性が高い。その後、ある程度の利上げ幅がたまってくれば、今度は政府債務の利払い増加にまつわる様々な試算が跋扈するだろう。

    その時、財政ファイナンスがテーマ視されるような状況になることが、為替に限らず、債券や株も含めた円建て資産全般に懸念されるリスクシナリオである。

    最近、円安になるほど株が売られるという動きがみられているのは、
    (1)円安→(2)利上げ→(3)株安

    という連想が働いているからだが、
    財政ファイナンスがテーマ視される状況では
    (2)の予想が極端に引き上げられ、
    円金利の急騰と政府債務の利払い不安が相互連関的に起きやすくなる。

    そのような状況では日本株も円も売られるだろう(要するにトリプル安が続く)。 

    唐鎌大輔(からかま・だいすけ)
    みずほ銀行 チーフマーケット・エコノミスト

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    円安で基調物価の上振れ続けば、正常化ペース速まる-日銀意見
    物価見通しの上振れリスク大きくなれば「金利早めに調整」-日銀総裁
    為替動向次第では金融政策対応が必要、円安けん制強める-日銀総裁

     元日本銀行調査統計局長の関根敏隆一橋大学国際・公共政策大学院教授は、日本の金融緩和度合いの大きさを踏まえれば、日銀が政策調整を進めることは自然であり、状況が許せば6月の金融政策決定会合での追加利上げもあり得るとの見解を示した。

    ターミナルレート(利上げの最終到達点)は、現在の市場の想定よりも「もう少し高いところにあってもおかしくない」と分析し、現段階で「0.5%や0.75%が壁とか決める必要もないし、限界は誰にも分からない」という。利上げのペースやタイミングは何も決まっていないだろうと述べ、状況が許せば「年内に3回やっても全く構わない」し、次回は「6月でもいい」と語った。

      植田和男総裁も9日の参院財政金融委員会で、実質金利は「中立水準をかなり下回っており、緩和的な状況にあることは確かだ」と同様の見解を示している。ブルームバーグが4月会合前に実施したエコノミスト調査では、ターミナルレートの中央値は0.75%となっており、関根氏の発言はペースが速まることを含めて市場の想定を上回る利上げが行われる可能性を指摘したものだ。

      関根氏によると、景気や物価に中立的な実質金利水準である自然利子率は「ならしてみればゼロ%程度」。4月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)における2016年度の消費者物価見通しが2%程度であることを踏まえれば、名目の中立金利は2%程度になる。自然利子率の推計自体に幅はあるものの、中立金利が現在の政策金利水準の無担保コール翌日物金利0-0.1%程度を大きく上回るのは明らかだ。

  • 日本経済は3期連続で成長なし、「スタグフレーション的」との見方も

    2024年5月16日

    消費停滞が主因、家計の実質所得減・貯蓄率低下-ニッセイ基礎研
    1-3月実質GDPは2期ぶりマイナス-個人消費は4期連続減少

    日本経済は1-3月期にマイナス成長に陥り、3期連続で成長が見られない状況となっている。

    物価高の影響で個人消費の低迷が続く中、既に「スタグフレーション(景気停滞下のインフレ)」状態に入りつつあるとの見方も出ている。

    ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎経済調査部長は、

    「日本経済はスタグフレーション的と言える」とし、
    「成長はあまりしていないのに、物価は高水準で上がっている」と指摘。

    景気の弱さの最大の要因である消費停滞の背景として、
    家計の実質所得が減少し、貯蓄率も低下していることを挙げた。

    日本経済は後退局面に入ったわけではないものの、長引く物価高で家計が圧迫され、景気に力強さは見られない。

    個人消費は4四半期連続で減少し、2009年以降で最も長い停滞局面となっている。

    こうした状況下での利上げは円安圧力を緩和してインフレを和らげる可能性があるものの、既に低迷している経済の重しになりかねない。

    日本銀行の植田和男総裁は、円安が基調的な物価に影響するリスクが高まれば
    「金融政策上の対応が必要になる」としているが、
    マイナス成長を受けて一段と難しいかじ取りを迫られそうだ。

      内閣府が16日発表した1-3月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率2.0%減と2期ぶりのマイナス。認証不正が発覚した一部自動車メーカーの大幅減産の影響が主因だが、約6割を占める個人消費は前期比0.7%減と市場予想の0.2%減を下回り、15年ぶりの4四半期連続マイナス。昨年10-12月期の実質成長率も年率0.4%から横ばいに下方修正された

  • 5月14日(火)

    輸入物価指数は前年比+6.4%

     4月企業物価指数が発表されたが、その中の輸入物価指数は前年比で3月+1.4%から+6.4%まで上昇したことが判明した。4月はドル円が150円台から160円台まで一時円安が進んだことも影響しているか。輸入物価指数がこのまま上昇した場合は、実質所得が更に下がることで円安要因になる。

  •  5月10日、国際収支速報によると、2023年度の経常収支は25兆3390億円の黒字だった。貿易赤字が縮小する一方で企業の投資収益が大幅に増え、年度の累積黒字額は過去最大となった。黒字拡大は本来なら円高要因とされるが、逆に円安が進み、海外での稼ぎが還流しにくい現状を印象付ける格好となった。

    経常黒字は2年ぶりに増加し、黒字額は比較可能な1985年度以降で最大だった2007年度(24兆3376億円)を上回った。22年度からは黒字が16兆2604億円増えた。

    経常収支のうち貿易収支は3兆5725億円の赤字で、前年度から赤字幅を縮小させた。原油など資源価格の高騰で前年度は赤字が膨らんでいた。23年度は輸出額が前年度比2.1%増の101兆8666億円だったのに対し、輸入額は10.3%減の105兆4391億円だった。
    第1次所得収支は35兆5312億円に膨らんだ。
    ただ、専門家からは「中長期的に黒字を確保していく姿は円の信認を維持するうえで大事だが、直接投資収益の黒字のうち半分程度が海外への再投資に回っており、経常黒字が過去最大になっても短期的には円高要因になりにくい」(SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミスト)との声が出ている。

    <3月黒字額は予想と一致>
    併せて発表された24年3月の経常収支は3兆3988億円の黒字だった。貿易収支が黒字となったことを受けて前年同月に比べて黒字が膨らんだ。
    ロイターが事前に実施していた予測中央値は3兆4896億円の黒字で、公表された黒字額は予想とほぼ一致した。

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