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株式週間展望=需給は買い方有利、中対立への警戒感緩く―リスク残るが一段高も、かつてない金融相場

 新型コロナウイルスの第2波懸念、米中対立の激化といった不安要素を黙殺し、うなぎ上りの様相を呈する日米の株価指数。日経平均株価はコロナ・ショック後では初の26週移動平均線を奪回した。かつてない余力を備えた金融相場を前に、市場では高値奪回を期待する声も聞かれる。資金が再び逆回転する可能性は残るものの、需給的にはまだ買い方有利の状況が継続するかもしれない。

 今週(5月25-29日)の日経平均は28日に2万1955円(前週末比7.7%高)まで上げ、2万2000円をうかがった。利益確定売りの動きに押し戻される場面もあが沸き上がる構図は、米国株と共通している。

 背景にあるのは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け各国の中銀が市中に注ぎ込んだ膨大なマネーと、株価上昇に逆行するカラ売りだ。機関投資家には運用の義務があり、潤沢な流動性を株式に振り向け続けている。さらに、新興国や、地政学リスクが高まる中国のウエートを引き下げることで、ポートフォリオに占める日米欧への資金配分が増す影響も指摘されている。

 厳しい実体経済やバリュエーション面の割高感を背景に、売り向かう投資家も依然として多い。しかし、相場の頑強さを抑え込むには至らず、損失覚悟の買い戻しを余儀なくされる状況。結果的に、一段の株価指数の上昇を招いている。

 直近の裁定売り残は2.5兆円を超す高水準。裁定売り残は、先物買い・現物売りポジションにおける未解消の現物売り残高を示し、先物決済のタイミングへ向けて買い戻し需要が強まる。こうした踏み上げが、株高の一翼を担っていることは間違いない。

 中国が米国の反対を押し切り「香港国家安全法」の制定方針を採択するなど、米中の関係は緊迫化している。ただ、市場はまだ楽観的だ。新型コロナからの経済回復が最優先事項である限り、お互いに一線を踏み越えることはないだろうという見方が市場では強い。第2波についても、その傾向がはっきりしてから動いても遅くないというスタンスだ。

 もっとも、政治は何が起きるか予測しがたい。また、新型コロナの感染再拡大にしても、既に各所でその兆候がみられる。常にトリガーは用意されているという認識は今後も欠かせない。このため、来週(6月1-5日)の日経平均の予想レンジは2万500-2万3500円と広くとる。

 来週は日本で1日に1-3月期法人企業統計、5日に4月景気動向指数が発表される。海外では米国で1日に5月ISM(米サプライマネジメント協会)製造業景況指数、3日に同非製造業景況指数が出る。注目の雇用指標は3日の米5月ADP(オートマチック・データ・プロセッシング)雇用統計と5日の5月雇用統計。4日にはECB(欧州中央銀行)理事会が行われる。

 来週のクローズアップ銘柄は鳥貴族 <3193> 、アイネス <9742> 。(市場動向取材班)

提供:モーニングスター社

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