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明日の戦略-終日方向感は定まらず、マザーズはアク抜け感が強まる可能性も

 31日の日経平均は続落。終値は167円安の18917円。米国株が大幅高となったことを受けて買いが先行したが、開始後しばらくはプラス圏とマイナス圏を行き来する不安定な状況が続いた。10時発表の中国3月製造業PMIは好内容となり、これを確認した後には上げ幅を250円近くまで広げるなど、買いの勢いが強まった。しかし、後場に入ると一転弱含む展開となり、一気に値を消しマイナス転換。前場とは逆に下げ幅を250円近くに広げる場面もあった。弱気一辺倒でもなく、その後に強い切り返しを見せてプラス圏にも浮上したが、戻したところでは売り直され、結局3桁の下落で終えた。東証1部の売買代金は概算で3兆0800億円。業種別では上昇は鉱業と石油・石炭の2業種のみで、ほか、その他製品の下げが小幅にとどまった。一方、鉄鋼や銀行、輸送用機器などが大幅安となった。投資用マンションローンに関する調査結果の公表が好感されたアルヒが急伸。半面、後場に急速に地合いが悪化する中で、三菱UFJや三井住友など銀行株の下げが大きくなった。

 東証1部の騰落銘柄数は値上がり546/値下がり1581。結局日経平均は下げたが、ファーストリテイリングとソフトバンクGが強く、場中にはこれらが上昇を主導するような動きも見られた。抗インフルエンザ薬の臨床試験に着手すると報じられた富士フイルムが上昇。東京精密やローツェ、三益半導体など半導体関連の一角が大幅高となった。新興市場は結構強く、Sansanや弁護士ドットコムが大幅上昇。直近上場株が見直され、関通やネクストーンが急伸した。ハナツアーは日経新聞のコラム記事が材料視され、ストップ高比例配分と買いが殺到した。一方、トヨタが4%を超える大幅安。日産自やスズキの下げは7%を超えるなど、自動車株が総売りとなった。日本製鉄やJFEホールディングスなど鉄鋼株も軒並み安。雇用指標の悪化でリクルートが値を崩した。ほか、決算が失望を誘ったしまむらや下方修正を発表したスタジオアリスが急落した。本日新規上場のMacbee Planetは高い初値をつけたものの、その後はストップ安まで売り込まれた。

 日経平均は終日不安定な動きとなり、終値では19000円を割り込んだ。ただ、中国PMIが直接的な下げを引き起こしたわけではなく、むしろ一時的とはいえ買い材料となった点は好感できる。今は楽観に傾く材料は乏しく、高いところがあれば戻り売りは出やすい。ただ、海外の材料が急落を引き起こすことが少なくなれば、個別に買い材料のあるものには資金が向かいやすくなる。きょうは全体が失速する中でマザーズ指数はプラスで終えた。大手も中小も利益に対する期待がはく落した今、ビジネスの成長性や身軽さといった点では、新興企業に分がある。また、東証は本日、4月に上場予定であったサイバートラスト、コマースOne、Speeeの承認取り消しを発表した。残念ではあるが、このところのIPOは地合いの悪化を受けて厳しいスタートとなることも多いだけに、ふるいにかけられたことが今後のIPO銘柄のパフォーマンス改善につながる可能性がある。そしてそのことが新興市場の活況を呼び込む展開にも期待が持てる。

 一方、このタイミングで銀行、自動車、鉄鋼など、値幅の調整が相当進んだ業種の銘柄が狙い撃ちされたかのように大きく売られているのは注意を要する動き。直近安値まで割り込んでいる銘柄は多くはないが、今後安値更新銘柄が増えてくるようだと、全体の下押し圧力となる。あすは名実ともに4月相場に突入するが、寄り前には3月の日銀短観が発表され、10時45分には中国の3月財新製造業PMIが発表予定。取引時間中に中国の指標を消化するという点で、きょうと似たような展開となる可能性もある。きょう弱かった業種が切り返すのか、もう一段売られるのかに注意を払っておくとともに、新興市場の優位性が強まるかという点にも注目しておきたい。

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