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コロナ相場のビットコインで「大儲けする人」「大損する人」の分岐点

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コロナ直撃で「ビットコイン相場」に異常あり…!
(文 砂川 洋介) コロナショックの直撃で、一日にNYダウが1000ドル、2000ドル、日経平均が1000円以上乱高下するのはもはや珍しくなくなっている。そうした中、市場最高値まで駆け上がった米国株をさらに上回る「乱高下」を見せているのがビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)マーケットだ。

 いまや原油先物にも劣らない暗号通貨相場のボラティリティは、短期筋の格好の狩場になっている。

 では今後の展開はどうなるのだろうか。相場の動きとの相関関係を見ながら、推測してみよう。

 新型コロナウイルスの脅威が世界を駆け巡り、金融市場では「リーマン・ショック」を上回る急落をしたのち、日経平均、NYダウともに過去体験がしたことないボラティリティに襲われている。2008年から09年の金融危機は、文字通り「サブプライムローン」に翻弄された金融機関をきっかけとした急落相場となったが、今回の相場は要因が大きく異なる。

 新型コロナウイルスが引き起こした閉鎖的な環境が、各国の経済を衰退させ、企業の設備投資並びに保守・運用も止めたことで想定できない先行きを生んでいる。

 各国中央銀行が枯渇する短期市場に資金を注ぎ込み、輸血をしている状況だが、そもそもの出血は金融機関が引き起こしたわけではないことから根本的な治療となっていない。

 今回のコロナショックは、サブプライムローンを片付けるために荒療治を行えば済んだのとは解決方法が大きく異なる。新型コロナウイルスのワクチンが開発されないことには、閉鎖的な経済環境が引き起こすマイナス成長は回避できないだろう。

 これからも乱高下が予想される株式相場であるが、もっと激しい値動きを見せると予想されるのがビットコインである。

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激しすぎる乱高下
 2月中旬まで、主力の暗号資産であるビットコインは110万円水準で推移していたが、僅か1ヵ月で50万円を割り込む水準まで急落した(取引所にもよるが、2月12日の112万円から、3月13日に46万円まで下落)。

 かつて2017年12月上旬に史上最高値250万円近くまで急騰した後、2月中旬に65万円まで急落したことがあったが、2か月超の時間をかけての下落だ。一か月で60%近い急落を見せる金融商品は、原油先物(WTI原油先物は2月20日の1バレル53ドル水準から3月18日に同20ドルと下落率はビットコインを上回る63%)ぐらいだろう。

 ただ、原油先物とビットコインの大きな違いは、原油先物はまだ下値模索となっているが、ビットコインはすでに足元の安値から65%もリバウンドしている点だ(3月12日46万円から3月19日に76万円まで上昇)。

 変化率だけで見ると下落率を上回る上昇率を叩きだしている。もっとも下落した水準からの変化率なので、下落前の110万円水準までは程遠い状況であることは理解しておかなくてはならないが、さすがはすべての金融商品を上回るハイボラティリティ投資商品と思わせる乱高下である。

 ビットコインのこの乱高下相場で、売りと買いをうまく捉えた投資家はダブルで利益を出した可能性はあるが、大抵の投資家は「往復びんた」を食らうことを恐れて手出しはできなかっただろう。

 中東諸国の微妙なせめぎあいと実体経済の冷え込み懸念が重しとなってリバウンドが入りにくい原油先物とは異なり、「ファンダメンタルズ要素無し、ボラティリティだけ」を投資尺度として投資マネーが主体の暗号資産市場のほうが、今は面白味があるといえよう。

 国内の取引所では、自主規制などを背景に高いレバレッジを掛けられなくなっているが、これだけのボラティリティがあればFX、株の信用取引などとは比較にならない値動きを楽しむことができる。

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暴落と暴騰のメカニズム
 ちなみに株式の下落などは世界経済の先行き不透明感などが要因とされているが、暗号資産の下落は何がきっかけとなったのか。基本的な構造は、株式市場の下落要因と同じだと筆者は考える。

 つまり新型コロナウイルスの大流行をきっかけとした世界経済の雲行きを警戒視した投資家が、株式市場同様、保有している暗号資産を売りに出したのだろう。

 しかし、時価総額が株式市場と比べると「象とアリ」ほど違う暗号資産市場では、需給のバランスが大きく崩れたが最後、ロングに傾いたポジションのアンワインドが一斉に発生し、売りが売りを呼び数分で数十%急落する地合いとなってしまいがちだ。

 実際、ビットコインは3月12日の夜から13日の朝にかけて75万円水準から46万円水準まで叩き売られている。

 世界最大規模の取引所であるBITMEXでは、積み上がっていたロングポジションが解消され約7億ドルが強制的に清算される状態となった。

 世界最大の取引所といえども一取引所でこれほどのポジションが数時間で清算されると、時価総額10兆円と少ないビットコインはひとたまりもない。

1BTC30万円もある
 もっともこれだけ簡単に値が動くことに着目した短期筋の投資家からすると、魅力的な投資対象である。

 世界の株式、債券、コモディティ市場が乱高下していることを考慮すると、暗号資産はここ数か月、1日に10%超上下するハイボラティリティ相場が続くと考えても不思議ではない。

 なお、株式市場などでは、先行き不透明感で下落した相場のため、いったん短期的なリバウンドで値を戻す可能性はあるが、企業決算の見通し(予想できない企業が相次ぐだろうが)下方修正を受けて腰を据えた本格的な買いは手控えられよう。一方、4月から5月にかけて国内では企業の21年3月期業績見通しが続々と出てくる。

 悪材料出尽くしで買い戻しが入るためには、決算発表まで叩き売られている必要があるが、決算発表前に中途半端な戻しが入ってしまうと、企業決算が悪材料出尽くしと捉えられず、もう一段安となるかもしれない。

 その時、世界的にボラティリティが一段と上がった際、暗号資産は株式、債券、コモディティを上回る乱高下を見せるだろう。昨年つけた足元の安値水準である30万円台に突入する場面もあると考える。短期筋の投資家による気合相場はまだまだ続きそうだ。

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