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【為替市場】米中協議で部分合意なら、年末年始のドル円は112円へ

三井住友DSアセットマネジメント シニアストラテジスト 市川 雅浩 三井住友DSアセットマネジメント シニアストラテジスト 市川 雅浩

〔図表〕12月と1月のドル円相場の方向性 〔図表〕12月と1月のドル円相場の方向性

 ドル円相場は、貿易問題を巡る米中の対立が激化した今年5月以降、ドル安・円高の動きが強まり、8月26日の取引時間中に一時1ドル=104円46銭水準に達した。その後は、米中貿易協議の進展期待から、緩やかにドル高・円安方向に転じ、一時は109円台まで回復した。
 この先、年末年始を迎えるが、市場参加者の少ない閑散相場は、予期せぬ悪いニュースにより強く反応する傾向があるため、一般に12月や1月は、ドル安・円高に振れるリスクが大きいという印象がある。しかし、過去のドル円の動きを検証してみると、12月と1月はドル高・円安となる確率のほうが、やや高いことがわかる(図表)。
 そのため、年末年始のドル円相場を見通すうえでは、閑散相場のドル安・円高リスクというイメージに、あまりとらわれる必要はなかろう。あらためて目先の材料を整理すると、まず、米中貿易協議について、中国商務省は11月26日、米国と閣僚級の電話会談を行ったことを明らかにし、問題の解決に向けて、両国が共通の認識に達したと表明した。
 トランプ米大統領も同日、協議は順調に進み、交渉は最後の難所にあると述べたが、これはおそらく、既存の制裁関税の扱いを指していると推測される。そのため、協議が続く限り、12月15日に発動予定の対中制裁関税第4弾(1,600億ドル分)は延期される公算が大きく、合意が来年にずれ込んだとしても、ドル安・円高方向の反応は限定的とみる。
 次に、金融政策については、米連邦準備制度理事会(FRB)、日本銀行とも、現状の政策金利水準を当面維持すると予想しており、金融政策に起因するドル円の動意は乏しいと思われる。また、フェデラルファンド(FF)金利先物市場では、依然として来年1回程度の米利下げを織り込んでおり、米10年債利回りも1%台後半での推移が続いていることから、ドル円の110円台回復には時間を要しよう。
 年末年始にかけて、米中協議が部分的な合意に達し、既存の制裁関税が一部撤廃される流れとなれば、FF金利先物市場での米利下げ観測が大きく後退し、米10年債利回りは2%台を回復するだろう。そしてドル円は110円台での値固め後、徐々に年初来のドル高・円安水準である112円台を目指す展開が予想される。
 一方、米中貿易協議が決裂すれば、ドル安・円高のリスクは増大するが、協議の難航・長期化はある程度織り込み済みのため、104円台まで戻る可能性は低いと考える。

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