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30~40代の5人に1人が貯蓄「ゼロ」と「500万円超」…貯蓄の実態と必要資金

写真:LIMO [リーモ] 写真:LIMO [リーモ]

働き盛りで子育て世代でもある30~40代は、出費が続く世代です。住宅ローン、教育費に追われ、なかなか貯金ができないというご家庭も多いことでしょう。中には「本当に貯金がない」と不安になっている人もいると思います。

この世代はどのくらい貯金できているのでしょうか。貯蓄の実態と貯め方について探ってみましょう。

30~40代の貯蓄実態
2019年3月にSMBCコンシューマーファイナンスが公表した「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019」から、30~40代の貯蓄状況を見てみましょう。

《貯蓄額》
・「0万円(貯蓄ができていない)」…23.1%
・「1万円~50万円以下」…24.6%
・「50万円超~100万円以下」…12.8%

《貯蓄額の調整平均値》
・前回調査2018年…247万円
・今回2019年…195万円

このように、貯蓄100万円以下と答えた人が全体の60.5%という結果となりました。貯蓄ができていない人(「0万円」)の割合は、前回2018年の調査17.1%から今回23.1%と、6.0ポイントも増加し、平均額でも52万円も減少していることが分かります。
一方で、高貯蓄額の人については

・「500万円超~1千万円以下」…8.0%
・「1千万円超」…9.8%

500万円以上の貯蓄額がある人は、17.8%となっています。同じ年代でも、貯蓄0円も貯蓄500万円以上も2割ほど…と、貯蓄格差があることが分かります。

【参考】
「30代・40代の金銭感覚についての意識調査2019」SMBCコンシューマーファイナンス

30代~40代ライフイベントと必要な金額
働き盛り、子育て世代にとって、特に大きなライフイベントである教育費とマイホーム資金。その具体的な金額はどのくらいなのでしょうか。あらためて見てみましょう。

 巨額…子どもの教育資金

文部科学省の調べ(※1)によると、幼稚園から高校まですべて公立に通った場合は約540万円、すべて私立に通った場合は約1,770万円となっています。

次に、大学以降の費用の平均値については以下のようになっています。

・国立・自宅通学…約524万円
・国立・一人暮らし…約812万円
・私立文系・自宅通学…約668万円
・私立文系・一人暮らし…約933万円
・私立理系・自宅通学…約809万円
・私立理系・一人暮らし…約1,074万円
※公益財団法人生命保険文化センターの調査(※2)による

子ども1人を大学まで進学させるには、少なくとも1000万円以上の費用が必要だということが分かります。もし私立大学・医歯系であれば大学の4年間だけで2,500万円から3,000万円近くの資金が必要となる見込みです。

このほかにも塾や部活動がありますし、子どもが2人3人となると、住宅購入並みに巨額の資金が必要となってくることが分かります。

【参考】
(※1)「平成28年度子供の学習費調査の結果について」文科省
(※2)「大学生にかかる教育費はどれくらい?」生命保険文化センター

 マイホームの資金について

次に住宅の平均購入価格について見てみましょう。住宅金融支援機構の「2018年度フラット35利用者調査」(※3)によると、建売住宅の場合には約3,442万円、マンションは約4,437 万円(2018年度)となり、上昇傾向が続いています。

住宅ローンは「フラット35」のように最長35年間で組むことができますので、もし30歳で住宅ローンの返済をスタートすると、定年退職が65歳であれば、ちょうど35年間に収まります。余裕があれば繰り上げ返済も検討していきたいところですが、家族の年代によっては教育資金が優先事項になるかもしれません。住宅は退職年齢から逆算して、早めに計画していく方が良さそうです。

【参考】
(※3)「2018年度フラット35利用者調査」住宅金融支援機構
「主なライフイベントにかかる費用の目安」日本FP協会

貯蓄を増やす「メリハリ支出」と「資産運用」
これほどの支出が必要となると分かっているものの、どうしても貯金が増えない、毎月ギリギリ…そういう場合は「支出を制する力」を高めていきましょう。

不要な支出を抑え、「マイホームの購入費用として〇万円」「上の子が小中学校の9年間の間に教育費を□万円」など具体的に目標を決めて取りかかるようにしましょう。

 固定費を見直して「メリハリ支出」

まずは固定費などの支出の見直しについて考えていきます。すべてを削っていくよりも、コストやメリットから考えて、節約に適した費目を探し出します。

たとえば、「ほとんど利用していない月額サービスを解除する」「お得なプランに乗り替える」というのは上手な見直し方法でしょう。お金の使いどころを見極めることでメリハリのある支出ができるようになります。

 資金を貯めていく方法と「資産運用」

子どもが成長するまでには長い時間があるようで、意外にあっという間です。教育資金は一定の期間内にまとまった金額を準備する必要があるため、家計の中でも最優先の課題となるでしょう。

給与天引き以外にも「学資保険」を利用中の方もいるでしょう。貯蓄機能と保険機能を併せ持つ金融商品ですが、契約金額が高くなると毎月の保険料も負担が大きくなります。学資保険は200万円程度が最近の売れ筋となっているようです。学資保険と並行して、貯蓄も継続していきましょう。

 時間のメリットを活かした長期投資「つみたてNISA」

預金利息が厳しい情勢でもあり、「NISA」や「つみたてNISA」の人気が出ています。あくまで投資商品ですが、「つみたてNISA」では比較的安全性の高い商品がラインアップされています。税制優遇のメリットも考えると有利な貯め方だといえます。

 忘れがちな老後資金は「iDeCo」で

住宅ローンに教育資金。ついつい老後のことは後回しになっているのではないでしょうか。住宅・教育と並んで大きな支出となるのが老後資金です。早めに計画しておくことで、細く長く貯めていくことも可能となります。

中でも、税制優遇の恩恵を受けられる「iDeCo」は優れた方法です。貯める時も受け取る時も税金の優遇を受けられ、原則60歳までは引き出しができません。老後に向けて確実に貯めていきたい人にピッタリの方法です。

さいごに
ライフイベントに合わせて貯めていくには、できるだけ早い時期から貯蓄を継続することがポイントとなるでしょう。30~40代であれば時間のメリットを活かした長期投資も可能となります。お金を貯めるのに得意不得意もあるでしょうが、貯め方を学んで資産形成を進めていきましょう。

 【ご参考】貯蓄とは

総務省の「家計調査報告」[貯蓄・負債編]によると、貯蓄とは、ゆうちょ銀行、郵便貯金・簡易生命保険管理機構(旧郵政公社)、銀行及びその他の金融機関(普通銀行等)への預貯金、生命保険及び積立型損害保険の掛金(加入してからの掛金の払込総額)並びに株式、債券、投資信託、金銭信託などの有価証券(株式及び投資信託については調査時点の時価、債券及び貸付信託・金銭信託については額面)といった金融機関への貯蓄と、社内預金、勤め先の共済組合などの金融機関外への貯蓄の合計をいいます。

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