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ECB、緩和策が及ぼす金融安定リスクに警戒呼び掛け-金融安定報告

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(ブルームバーグ): 欧州中央銀行(ECB)は緩和的な金融政策がもたらす副作用のリスクを警告し、前例にない緩和政策の長期化が金融安定性の低下を助長していると強調した。

ECBは20日発表した半年に一度の金融安定報告で、低金利は投資ファンドや保険会社だけでなく一部の不動産市場でも過剰なリスクテークを促していると指摘した。資産価格が実態からかい離しつつある兆しが見られ、将来的に調整が生じる可能性を示唆しているとの見方を示した。

デギンドスECB副総裁は発表文で「低金利環境は経済全般を支えているが、われわれはリスクテークの高まりも認識している。これは中期的に見て、金融安定性にとって問題を引き起こす恐れがある」と述べた。

前回の報告があった半年前と比べ、ユーロ圏経済の見通しは悪化した。市場を基にした各指標が示唆する短期的なリセッション(景気後退)リスク上昇と歩調を合わせ、ECBは今回の報告で2020年半ばまでにマイナス成長に陥る可能性が約20%に上昇したと見込んだ。

ECBによると、ユーロ圏内の銀行の回復力はここ数年間で改善したが、収益性は依然として主要な懸念事項であり、一段と厳しい環境の中で見通しは弱まった。

報告では「全般的に見て、経済成長見通しの悪化と金利見通しの低下がユーロ圏の銀行における当面の収益期待をさらに押し下げる可能性が高い」と記述した。

ECBの緩和策がもたらす影響は銀行セクターにとどまらない。保険会社や年金基金が保有する債券の70%以上は1%未満の利回りとなっており、ノンバンクが投資する債券のうちマイナス利回りの債券は昨年12月から2倍超に膨らんだ。

ECBは「保険会社は従来の選好を離れ、利回りを求めてよりリスクが高く、流動性の低い証券に向かう傾向を強めている。これは当局の注視に値する」と警戒感を示した。

原題:ECB Flags Risks to Financial Stability From Its Own Stimulus(抜粋)

(c)2019 Bloomberg L.P.

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